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東京新聞・地域の情報・千葉・鼓組

2004.4.7

プロ・アマ47団体が参加し、成田市の成田山本堂前などで10、11日に開催される「成田太鼓祭」に、八千代市の県立八千代高校の和太鼓芸能集団「鼓組(こぐみ)」が、唯一の学校の部活動グループとして参加する。同校の吹奏楽部内のグループとして十数年の伝統をもつ鼓組ラッパと太鼓の“二足のわらじ”をやめ、4月から部活動として独立。より幅広い活動を目指す。(小川 直人)

10・11日に成田太鼓祭

八千代高「鼓組

若さの連打披露

部活で唯一の出演

「それっ」「パン、パン、パン」。校内のプレハブの練習場に、威勢の良いかけ声と、重い太鼓の音色とは違った乾いた音が響く。和太鼓は高価なため、練習に使われるのは車のタイヤだ。(鼓組による注:鼓組が使用している1.6尺長胴太鼓は、1台80万円程度します。公立学校部活動予算では買えません。また、タイヤを使って稽古するのは、太鼓による騒音で近隣の住民にご迷惑をかけない意味もあります)

十数年前、当時の吹奏楽部の嘱託講師だった太田雅人さんが、演奏に和太鼓を取り入れたことをきっかけに、鼓組は誕生した。吹奏楽専任の教諭が赴任したことなどから、それぞれが独立して活動することになり、部活動としての鼓組に生まれ変わった。

鼓組は、市の成人式やイベントなどに出演し、地域では有名な存在。出演依頼を受けることも多いが、吹奏楽の活動が主で、断ることもあったという。

現在、部員は新二、三年生の男女十人。組太鼓の伝統的な演奏に踊りの要素やロックソーランなども取り入れる。若さにあふれた力強さに加え、部員全員が吹奏楽のトレーニングを積んでいるのが特徴。顧問の●山●●教諭は「楽譜も読めるし、確かな耳も持つ。音楽に対するこだわりが強くわずかな音のずれなどにも厳しい」と紹介する。

初代の部長に当たる「組頭」の●原●子さん(三年)は「自分を表現できる。太鼓を通して誰とでもうち解けられる。技量はまだまだだが、演奏を聴く機会があれば、高校生が精いっぱい練習した証しを感じてほしい」と呼びかけていた。

六月には同校吹奏楽部の定期演奏会にも参加する。吹奏楽の大会日程の都合で出場できなかった太鼓専門のコンクールに出場して好成績を収めることが目標という。

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成田太鼓祭は、和太鼓を中心とした太鼓の祭典。十六回目の今年は、成田市制五十周年記念も兼ねる。特設会場での参加団体の演奏のほか、門前大骨とう市やファーマーズマーケットなどさまざまなイベントが催される。鼓組は三百人以上の出演者が一斉に太鼓を打つ「千願華太鼓」(十、十一日のそれぞれ午前十時から)などに出演する。

写真:(省略)

部室内タイヤを打つ姿