10 言霊循環

言霊百神の前承する上昇言霊循環

循環も回転も基準の軸が記憶にあるために認められる意識活動です。宇宙が循環していることはなかなか見つけられないが、地球上の事象が循環していることはよく経験されるところです。地球の上に載って人類も生存していますから、人体、精神、人の成す事も循環しているとみられます。

その反面一回きり一度限りの事柄も眼にすることが多いものです。また同様に持続は永遠というものや、終わりは無いという事柄が主張されることもあります。

言霊学は精神意識の循環を多岐にわたって示すとともに、途中での飛び出し逸脱等による、無自覚的なあるいは自覚的な結論結果の創造もあるものとしています。

原理的に例えばアと言う言霊の発生準備から現象化して、発声の聴取了解、を通過して了解し、それ自体が次の現象化の先天条件となるまでを、言霊の一循環としています。つまり、アという一瞬の発音に百の言霊神を配当しています。

言語を意志伝達手段とするだけだと話した後のことが切り捨てられてしまいます。主体側の伝達が終ってもまだその先があります。あるいは伝達相手がいなくても自分の中だけで言葉が活動していきます。更に、運動をして言葉を使っていないときにも頭の中では右に行け左を向け手を出せ等の言葉に成らない言葉の命令等が発生されています。

言霊循環はこれらの全てを了解しなくてはなりません。そもそも主体側によって発声された言葉はその人が創ったものではなく、受動客体側となって与えられたものです。それも循環の条件ですから考慮される必要があります。

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現象として出てくる言霊子音の循環

出てくる子音はタトヨツテヤユエケメ→クムスルソセホヘ→フモハヌ→ラサロレノネカマナコの順番で出て来ます。

先天構造の活動(天名・アナ)によって起った意図がどんな内容か、がイメージとしてまとめられますが、しかしまだ言葉とはなっていません。(未鳴/真名・マナ)

‘タトヨツテヤユエケメ’(未鳴)

→ 先天構造の活動が何の意図であるのかを一つのイメージにし、

‘クムスルソセホヘ’(真名)

→ まとまったイメージが言葉と結び合わされ、

例えば、「腹が減ったから握り飯を作ってくれ」と言えばいいか、「握り飯を食べたい」と言えばいいか。

‘フモハヌ’(神名・カナ)

→ 言いたいことが空中に飛んで口から出て来ます。

言葉には心が乗っております、気持ちを運んでいます。

‘ラサロレ_ノネ_カマ_ナ_コ’(真名)

→ やがて他の人(または自分)の耳に聞かれ、

相手に聞こえた声は相手の心に言葉の意味がどう作用するか。

→ 復誦され、

→ その内容が一つの意味に煮詰められ、(あの言い方は少し時間をおいても大丈夫かな、今作らないと機嫌が悪くなりそうだな)

→ 最後に了解され、(内容が総て分かる。名は体を表わす、名前から人や物が分かる)

→ 結果としてまとめられます。(すぐ持っていこう)

そして、先天へと返ります、この循環を「言霊の幸倍え」と申します。

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循環は一つの系列の切り取り方で様々な姿を現しますが、意識の原理論上は百神の展開となります。元に戻るのが循環ですが、途中の姿は多様です。言霊の循環では 03 章 神々の宝座 の姿をとります。

頭脳の意識活動は駿足で、たったの今という刹那の一瞬を舞台にして活動していきます。止まっている姿を取ることもあるし過去から来る姿、未来へ向う姿、全体を示す姿を取ることもあります。これらの様々な様相を今という刹那に秘めていることを明かしたのが古事記の冒頭です。