36【言霊フ】 風の神名は志那津比古の神(しなつひこのかみ)

36【言霊フ】 風の神名は志那津比古の神(しなつひこのかみ)

人は言葉を発してしまったら、それでその言葉と縁が切れる訳ではありません。志那都(しなつ)とは先天の活動で発生した意図(志)の内容である言霊のすべて(那)が言葉(都=つ・霊屋子=みやこ)となって活動しています。風の神とは人間の息のことでありましょう。言霊フはその心を表わしています。

言霊フに漢字を当てますと、経(ふ)る、吹(ふ)く、古(ふる)い、伏(ふ)す、踏(ふ)む、更(ふ)ける、……等があります。

大倭豊秋津島の区分に属す神(言霊)はこの四神に続いて天の狭土の神以下大宜都比売(おほげつひめ)の神まで十神がありますが、説明の都合上取り合えず志那都比古の神以下の四神、言霊フモハヌの四言霊を先に登場させます。何故かと申しますと、心の先天構造が活動を起し、それによって子音創生が始まり、タトヨツテヤユエケメの十言霊が属す津島の区分で先天の意図がイメージとしてまとめられ(未鳴)、次にクムスルソセホヘの八言霊の属す佐渡の島の区分でイメージに音声が結ばれ、発声されます(真名)。発声された言葉は次に大倭豊秋津島の区分に入り、空中を飛び(神名)(かな)、聞く人の耳に入り、復誦、検討され、その内容が了解され、そこで先天の意図が達成され、一連の言霊の宇宙循環は終り(真名)、再び先天に帰ります。この大倭豊秋津島の区分の言霊はフモハヌ・ラサロレノネカマナコの十四言霊であります。その中で先ず取上げました志那都比古の神以下の四神、フモハヌの四言霊は大倭豊秋津島の区分の十四言霊の中の空中を飛んでいる言葉(神名)の内容を示す言霊なのであります。

風の神名は志那都比古(しなつひこ)の神

言霊フ 志那都比古とは先天活動の意図(志)がすべて(那)言葉となって活動している実体(神)と言った意味です。心は言葉に乗って何処までも活動します。言霊フモハヌは空中(外界)を飛ぶ言葉の内容でありますので、風・木・山・野の神と自然物の名が附けられています。風の神の風は人の息(いき)のことでありましょう。フとはその心、その言葉の内容を意味します。

言霊フは二(ふ)・譜(ふ)・笛(ふえ)・踏(ふみ)・吹(ふき)・伏(ふす)・深(ふかい)・殖(ふえる)・蒸(ふかえ)等に使われます。