ア 吾(あ)の眼(め)を付(つ)けて智(ち)となす鏡餅の下段

吾(あ)の眼(め)を付(つ)けて智(ち)となす鏡餅の下段

言霊運用五十神による精神の行動規範。

大目次。

意識の運用領域 一。) 神々の宝座は 吉備の児島。初歩的(無自覚)な行動規範。

意識の運用領域 二。) 神々の宝座は小豆島。無自覚な主体規範。

意識の運用領域 三。) 神々の宝座は 大島 (大多麻流別)。主体内の自覚、自証された行動規範。

意識の運用領域 四。) 神々の宝座は姫島 (天一根)。自己表出の要素規範。

影の意識の運用領域) 黄泉国。自証から他証へ向う客観世界での確認。

意識の運用領域 五。) 黄泉国からの帰還。神々の宝座は知訶島。他証となる手順の反省規範創出。

意識の運用領域 六。) 禊祓と歴史創造。 神々の宝座は両児島。唯一者の道徳規範による創造。

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言霊運用の目次。

== 言霊の、心の、運用領域 ==

≪何を意識するのか論。意識は何処にあるのか論。≫(意識の運用領域 一。)

神々の宝座は 吉備の児島。初歩的(無自覚)な行動規範。

----吉く備(吉備)わった初期(児)の締まり(島)と言った意 五十個の言霊を集めて形だけは五十音

図としてまとめたけれど、その内容はまだ詳細には確認されていない段階ということです 。

初歩的では有りますが豊宇気として先天の性質を受け持っているこの五十音の枠結びを天津菅麻(音

図)と呼びます

菅曽(すがそ)は菅麻とも書き先天・大自然そのままの性質の音図(すがすがしい衣の意)のことです

例えばこの世に生れたままの赤ちゃんの心の性能の構造といえるでしょう。

『 この子を生みたまひしによりて、御陰炙(みほどや)かえて病(や)み臥(こや)せり。』

『 たぐりに生(な)りませる神の名は』 ・たぐりたぐる手繰り寄せる。

≪蒐集論。≫

[運用 01] 金山毘古(かなやまびこ)の神 (五十音神名文字の音。整理内容。)

[運用 02] 金山毘売(びめ)の神 (五十音神名文字の文字。整理材料。)

『 次に屎(くそ)に成りませる神の名は』 ・くそは組む素、要素を組む。

≪分類論。≫

[運用 03] 波邇夜須毘古(はにやすひこ)の神 (正確で安定している音。分類組み合わせ内容。)

[運用 04] 波邇夜須毘売(ひめ)の神 (正確で安定している文字。分類組み合わせ材料)

『 次に尿(ゆまり)に成りませる神の名は』 ・ゆまりは五埋まりで各要素をあるべき場所に埋める。

≪区分体系化論。≫

[運用 05] 弥都波能売(みつはのめ)の神 (実在母音オウエの定在。次元立場の縦糸の確定)

≪初期規範論。≫

[運用 06] 和久産巣日(わくむすび)の神 (五十音全部の定在・惑い無自覚内の状態。提起する問題

の全体像)

≪データー伝達論。≫

『この神の子は豊宇気毘売(とようけひめ)の神といふ。』

[運用 -0-] この神の子豊宇気毘売(とようけひめ)の神 (和久産巣日の先天性の受容するもの。

及び持ち込まれる全関連事項)

『 かれ伊耶那美の神は、火の神を生みたまひしに由りて、遂に神避(かむさ)りたまひき。』

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≪主観発生論。≫(意識の運用領域 二。)

神々の宝座は小豆島。無自覚な主体規範。

----泣沢女(なきさわめ)とは人間の創造知性の根本の響きのことです 音波、光波の大自然の無音

の音(梵音)が視覚、聴覚のリズムとシンクロナイズする時、初めて現象が現われます 泣き沢め(なき

さわめ)ぐのは父韻であり人間の創造知性の側の働きであり、その刺激により宇宙である五母音から

現象が出て来るという意味であります。

別名の大野手比売(おほのでひめ)とは大いなる横(野・貫)に並んだ働き(手)を秘めている(比売)の

意。

音図においては八父韻は横に一列に展開しています。

≪主観関与発生論。≫

『 かれここに伊耶那岐の命の詔(の)りたまはく、「愛(うつく)しき我が汝妹(なにも)の命を、子の一木

(ひとつき)に易(か)えつるかも」とのりたまひて、御枕方(みまくらへ)に葡匐(はらび)ひ御足方(みあ

とへ)に葡匐ひて哭(な)きたまふ時に、御涙に成りませる神は、香山(かぐやま)の畝尾(うねを)の木

のもとにます、名は

[運用 07]泣沢女(なきさわめ)(大野手比売)の神。 (父韻の確認。こころの主体側から検討。)

(湧き出るがままの主体側の父韻活動)

『 かれその神避(かむさ)りたまひし伊耶那美の神は、出雲(いずも)の国と伯伎(ははき)の国との堺

なる比婆(ひば)の山に葬(をさ)めまつりき。』

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≪主観自覚論。≫(意識の運用領域 三。)

神々の宝座は 大島 (大多麻流別)。主体内の自覚、自証された行動規範。

----大きな価値・権威を持った心の締まりという意 別名の大多麻流別は大いなる(大)言霊(多麻)が

流露・発揚(流)する心の区分、ということです 。

伊耶那岐の命(言霊の原理・法則)が活用する十拳の剣の力(物事を十段階に分けて判断する)を明ら

かにする作業区分であります 。

『 ここに伊耶那岐の命、御佩(みはか)せる十拳の剣を抜きて、その子迦具土の神の頚(くび)を斬りた

まひき。』

『 ここにその御刀(みはかし)の前(さき)に著(つ)ける血、湯津石村に走(たばし)りつきて成りませる

神の名は、

≪実在主観分析論。≫

[運用 08]石拆(いはさく)の神 。(次元宇宙の設定、実体側組織構成) (自習自覚されたアオウエイの

五段階に分割)

≪働き主観分析論。≫

[運用 09] 根拆(ねさく)の神 。(意志の働き側の検討確認) (父韻配列の検討)

≪主観内運用論。≫

[運用 10] 石筒(いはつつ)の男の神。(実在と働きを現わし各次元通過の検討) (五十音縦横の変化

連続)

『 次に御刀の本に著ける血も、湯津石村(ゆずいはむら)に走(たばし)りつきて成りませる神の名は、

≪運用主観静的実在適用論。≫

[運用 11] 甕速日(みかはやひ)の神 。(内容とその形態の働きの明瞭化)

(客体物象の連続状態が一目で分かる、実在の構造連絡が確認される)

≪運用主観動的経過適用論。≫

[運用 12] 樋速日(ひはやひ)の神 。(連続動態傾向性の明瞭化)

(客体内言霊の働きの連続状態が一目で分かり確認される)

≪主体内創造規範の形成論。≫

[運用 13] 建御雷(たけみかづち)の男の神 。またの名は建布都(たけふつ)の神、またの名は豊(と

よ)布都の神。』

(主体のこころの設定、確立)。 (主体内規範の現れ、主体にとってだけは納得確認された規範)

『 次に御刀の手上に集まる血、手俣(たなまた)より漏(く)き出(いで)て成りませる神の名は、』 主体

規範の運用。

≪真相握り論。≫

[運用 14]闇淤加美(くらおかみ)の神 。(手を握りしめる主体の心方向へ検討) (握って噛み合わせる)

≪真相開示論。≫

[運用 15] 闇御津羽(くらみつは)の神』。(主体の心から手を広げる方向へ確認) (みいずを起こし括る)

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≪表現論。≫(意識の運用領域 四。)

神々の宝座は姫島 (天一根)。自己表出の要素規範。

----八つの神代表音神名文字(八種の文字原理)が心の宇宙の中に占める位置・区分 。

言葉を文字で表したものを比礼(ひれ)または霊顯(ひら)といいます 枚(ひら)の字を当てることもあり

ます。

大山津見の神(言霊ハ)は言葉のことです 山津見の山は八間でこの間に言霊父韻が入り、それが

津見(渡して現れる)で言葉が出来ます。

女(おんな)は音名で、文字のこと 文字には言葉が秘め(女)られています 人によって文字を読むと

直ちに心の中に言葉となって甦ります また神代文字は全部 火の迦具土の神(言霊ン)から現われ

ますから、別名、天の一根と言われます。

『 殺さえたまひし迦具土の神の』 (粘土板に書かれた表音神代文字の原理)

≪表現はイメージ論。≫

[運用 16] 頭に成りませる神の名は 正鹿山津見(まさかやまつみ)の神

表現要素間の順列の全体的な美しさを重視し、思い描かれたイメージに沿った表現。

≪表現は持続論。≫

[運用 17] 胸に成りませる神の名は 淤滕(おど)山津見の神

表現要素間の繋がり方の持続している姿の美しい現れの連続した姿をとらえた表現。

≪表現は経験論。≫

[運用 18]腹に成りませる神の名は 奥(おく)山津見の神

あったものや、基準の象形に向って治め形にするような姿で、過去の形象を呼び起こすような表現。

≪表現には経験がある論。≫

[運用 19] 陰に成りませる神の名は 闇(くら)山津見の神

あったものや、基準の象形から出て行くような形を作る姿で、経験した形象で繰(く)くるろうとする表現。

≪表現は抽象論。≫

[運用 20] 左(霊足り)の手に成りませる神の名は 志芸(しぎ)山津見の神

表現要素がそれぞれで内容を現わし、それだけでしき(四気)を現わす抽象性を持たせた表現。

≪突出論。≫

[運用 21] 右(身切り)の手(選択)に成りませる神の名は 羽(は)山津見の神

全体に対してというよりも部分部分の個別的な始めの運動を見せ、一つ一つの内容を強調する表現。

≪全体は個別論。≫

[運用 22] 左の足(太祝詞音図あ~し)に成りませる神の名は 原(はら)山津見の神

全体の中で個別部分の位置づけがよく現れるような、全体の中の一部であることがよく意識された表

現。

≪個別は全体論。≫

[運用 23]右の足に成りませる神の名は 戸(と)山津見の神

各要素部分(母音半母音父韻子音)が、よく分かるような表現。

≪自分だけの主観論。≫

かれ斬りたまへる刀の名は、天の尾羽張(おはばり)といひ、またの名は伊都(いつ)の尾羽張といふ』

意識の判断表現は鳥の尾羽が末広がりなりその役目をよく果たすように、天与の御威陵(みいづ、伊

都(いつ))の権威を持った表現となる

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≪客観に挑戦する主観論、黄泉国に入る論。≫(影の意識の運用領域)

自証から他証へ向う客観世界での確認。 黄泉国へ。

主体側主観だけの活動規範の適用は心配の種となっている。

影の神々の宝座。(●) 黄泉国の構造。

≪ 客観世界への行き方論。≫

≪客観世界到着確認論。≫

≪ 客観世界発見論。≫

≪ 客観世界との確執論。≫

≪ 客観世界発生、主観の働きの原理論。≫

≪ 客観意識内の客観対象の発生論。≫

≪ 客観対象には主体性が半分だけ論。≫

≪ 客観対象に主体性を賦与してみれば論。≫

≪実用実利主体部分を与えてみれば論。≫

≪主観にとっての実用実利の意識とはの確認論。≫

≪客観客体は実在するじゃないかに対する論。≫

≪客体世界からの反論。≫

≪主体世界の再反論。≫

≪客観世界の確定事項。≫

≪客観世界の本質論≫

≪客観世界への行き方論。≫

『 ここにその妹伊耶那美の命を相見まくおもほして、黄泉国(よもつくに)に追ひ往(い)でましき。

≪客観世界到着確認論。≫

ここに殿の縢戸(くみど)より出で向へたまふ時に、伊耶那岐の命語らひて詔りたまひしく、「愛(うつく)

しき我が汝妹

(なにも)の命、吾と我と作れる国、いまだ作り竟(を)へずあれば、還りまさね」と詔りたまひき。』

『 ここに伊耶那美の命の答へたまはく、

「悔(くや)しかも、速(と)く来まさず。吾は黄泉戸喫(へぐひ)しつ。然れども愛しき我が汝兄(なせ)の

命、入り来ませること恐(かしこ)し。かれ還りなむを。しまらく黄泉神(よもつかみ)と論(あげつら)はむ。

我をな視たまひそ」と、

かく白(もお)して、その殿内(とのぬち)に還り入りませるほど、いと久しくて待ちかねたまひき。』

≪客観世界発見論。≫

『 かれ左の御髻(みみづら)に刺させる湯津爪櫛(ゆつつまくし)の男柱一箇(をはしらひとつ)取り闕

(か)きて、

一(ひと)つ火燭(びとも)して入り見たまふ時に、蛆(うじ)たかれころろぎて、

頭(かしら)には大雷(おほいかづち)居り、

胸には火(ほ)の雷居り、

腹には黒雷居り、

陰(ほと)には柝(さく)雷居り、

左の手には若(わき)雷居り、

右の手には土雷居り、

左の足には鳴(なる)雷居り、

右の足には伏(ふし)雷居り、

并せて八くさの雷神成り居りき。』

≪客観世界との確執論。≫

『 ここに伊耶那岐の命、見畏(みかしこ)みて逃げ還りたまふ時に、その妹伊耶那美の命、「吾に辱(

はじ)見せつ」と言ひて、

すなはち黄泉醜女(よもつしこめ)を遺(つかわ)して追はしめき。』

≪客観世界発生、主観の働きの原理論。≫

『 ここに伊耶那岐の命、黒御縵(くろみかづら)を投げ棄(う)てたまひしかば、すなはち蒲子生(えび

かづらな)りき。

こを?(ひり)ひ食(は)む間に逃げ行でますを、なほ追ひしかば、』

≪客観意識内の客観対象の発生論。≫

『 またその右の御髻(みみづら)に刺させる湯津爪櫛を引き闕きて投げ棄(う)てたまへば、すなはち

笋(たかむな)生りき。』

≪客観対象には主体性が半分だけ論。≫

『 こを抜き食(は)む間に、逃げ行でましき。また後にはかの八くさの雷神に、千五百(ちいほ)の黄泉

軍(よもついくさ)を副(たぐ)へて追はしめき。』

≪客観対象に主体性を賦与してみれば論。≫→後に禊祓へ。

『ここに御佩(みはかし)の十拳の剣を抜きて、後手(しりで)に振(ふ)きつつ逃げませるを、』

≪実用実利主体部分を与えてみれば論。≫

『なほ追ひて黄泉比良坂(よもつひらさか)の坂本に到る時に、その坂本なる桃の子(み)三つをとりて

持ち撃ちたまひしかば、ことごとに引き返りき。』

≪主観にとっての実用実利の意識とはの確認論。≫

『 ここに伊耶那岐の命、桃の子に告(の)りたまはく、「汝(いまし)、吾を助けしがごと、葦原の中つ国

にあらゆる現しき青人草の、苦(う)き瀬に落ちて、患惚(たしな)まむ時に助けてよ」とのりたまひて、

意富加牟豆美(おほかむづみ)の命といふ名を賜ひき。』

≪客観客体は実在するじゃないかに対する論。≫

『 最後(いやはて)にその妹伊耶那美の命、身みづから追ひ来ましき。

ここに千引(ちびき)の石(いは)をその黄泉比良坂に引き塞(さ)へて、その石を中に置きて、その石

を中に置きて、おのもおのも対(む)き立たして、 事戸(ことど)を度(わた)す時に、』

≪客体世界からの反論。≫

『伊耶那美の命のりたまはく、「愛(うつく)しき我が汝兄(なせ)の命、かくしたまはば、

汝の国の人草、一日(ひとひ)に千頭絞(ちかしらくび)り殺さむ」とのりたまひき。』

≪主体世界の再反論。≫

『 ここに伊耶那岐の命、詔りたまはく、「愛しき我が汝妹の命、汝(みまし)然したまはば、吾(あ)は一

日に千五百の産屋を立てむ」とのりたまひき。ここを以(も)ちて一日にかならず千人(ちたり)死に、一

日にかならず千五百人(ちいほたり)なも生まるる。』

≪客観世界の確定事項。≫

『 かれその伊耶那美の命に号(なづ)けて黄泉津(よもつ)大神といふ。またその追ひ及(し)きしをもち

て、

道敷(ちしき)の大神といへり。またその黄泉の坂に塞れる石は、道反(ちかへし)の大神ともいひ、

塞へます黄泉戸(よみど)の大神ともいふ。』

≪客観世界の本質論≫

『 かれそのいはゆる黄泉比良坂(よもつひらさか)は、今、出雲の国の伊織夜(いふや)坂といふ。』

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≪客観と手をとる論、黄泉国からでる論。≫(意識の運用領域 五。)

黄泉国からの帰還。禊祓の準備。性(さが)を越える。

神々の宝座は知訶島。意識の運用領域 五。) 黄泉国からの帰還。神々の宝座は知訶島。

他証となる手順の反省規範創出。

----これよりは言霊学奥義である禊祓の区分となります 。

知とは知識の事、訶とは叱り、たしなめるの意です。

外国の文化の知識をこの段階で言葉の意味がよく分るように内容を整理し、次の人類文明へ吸収す

る為の準備作業となる段階の働きの区分。

≪どこにあるのだ完全無謬の主体側と客体側論。≫

『 ここを以ちて、 (◎) 伊耶那岐の大神、 の詔りたまひしく、』

[運用 24] 伊耶那岐の大神

(主体側)『「吾(あ)はいな醜(しこ)め醜めき穢(きた)なき国に到りてありけり。

かれ吾は御身(おほみま)の禊(はらへ)せむ」 とのりたまひて、』

(客体側)『竺紫(つくし)の日向(ひむか)の橘(たちばな)の小門(おど)の阿波岐原(あはぎはら)に

到りまして、禊ぎ祓へたまひき。』

≪先天の無謬規範。≫

『 かれ投げ棄(う)つる御杖に成りませる神の名は、』

[運用 25] 衝き立つ船戸(つきたつふなど)の神。』・・(自己主張の拠り所)

≪過去から今への連続性論。≫

『 次に投げ棄つる御帯(みおび)に成りませる神の名は、

[運用 26] 道の長乳歯(みちのながちは)の神。』 ・・(関連性と連続性)

≪時処位論。≫

『 次に投げ棄つる御嚢(みふくろ)に成りませる神の名は、』

[運用 27] 時量師(ときおかし)の神。』 ・・(時処位の検討)

≪材料を定位置に配置する論。≫

『 次に投げ棄つる御衣(みけし)に成りませる神の名は、

[運用 28] 煩累の大人(わずらひのうし)の神。』 ・・(曖昧性の排除)

≪今の定位置から未来への位置を定める論。≫

『 次に投げ棄つる御褌(みはかま)に成りませる神の名は、』

[運用 29] 道俣(ちまた)の神。』・・(分枝点方向の明瞭化)

≪今の主客の事象の過去現在未来を明かに定める論。≫

『 次に投げ棄つる御冠(みかかぶり)に成りませる神の名は、

[運用 30] 飽咋の大人(あきぐひのうし)の神。』 ・・(実相を明らかに組む)

≪主客の合一に向う主体側の起点、通過点、経過了解の三態論。≫

『 次に投げ棄つる左の御手の手纏(たまき)に成りませる神の名は、』

[運用 31] 奥疎(おきさかる)の神。 ・・(主体側の出発整理)(エ次元の選択創造)

[運用 32] 次に奥津那芸佐毘古(なぎさびこ)の神。 ・・(主体側の選択創造性)

[運用 33] 次に奥津甲斐弁羅(かいべら)の神。』 ・・(主客の間隙を減らす)

≪主客の合一を受ける客体側の起点、通過点、経過了解の三態論。≫

『 次に投げ棄つる右の御手の手纏に成りませる神の名は、』

[運用 34] 辺疎(へさかる)の神。 ・・(客体側の到着整理)

[運用 35] 次に辺津那芸佐毘古(へつなぎさびこ)の神。 ・・(客体側の結果選択創造性)

[運用 36] 次に辺津甲斐弁羅(へつかいべら)の神。』 ・・(客主の間隙を減らす)

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≪客観を止揚し共に立つ論。≫(意識の運用領域 六。)

禊祓と歴史創造。 神々の宝座は両児島。唯一者の道徳規範による創造。

もち来たらせられた客観事象の抽象性一般性を身削ぎして実質内容を取る。

----言霊布斗麻邇の原理は心の要素である五十個の言霊とその運用法五十、計百の原理から成り

立っています。

その要素五十言霊を上の五十音に、運用法五十を下の段にとりますと百音図ができます これを図

の上と下が完成した原理として両児の島と名付けました。

≪一般性抽象性の身削ぎ論。≫

『 ここに詔りたまはく、「上(かみ)つ瀬は瀬速し、下(しも)つ瀬は弱し」と詔りたまひて、

≪身削ぎを実行する実体内容のある場所論。≫

『初めて中つ瀬に堕(い)り潜(かづ)きて、滌(すす)ぎたまふ時に、』

≪八十(実在要素)は禍であるゆえ光に渡す論。≫

『成りませる神の名は、

[運用 37] 八十禍津日(やそまがつひ)の神。 ・・((情感による禊)

≪感情・意志は禍であるゆえ光に渡す論。≫

[運用 38] 次に大禍津日(おほまがつひ)の神。』 ・・(原理による禊)

≪一般性と客体性の位置づけ論≫

『 この二神(ふたはしら)は、かの穢(きたな)き繁(し)き国に到りたまひし時の汚垢(けがれ)によりて

成りませる神なり。』

≪個別=一般、主体=客体のとらえ方論。≫

『 次にその禍を直さむとして成りませる神の名は、

[運用 39] 神直毘(かむなほひ)の神。 ・・(経験知による探求)

[運用 40] 次に大直毘(おほなほひ)の神。 ・・(欲望性能による探求)

[運用 41] 次に伊豆能売(いずのめ)。』 ・・(実践智による探求)

≪主客の内容実体の一致包含論。≫

『 次に水底(みなそこ)に滌(すすぎ)ぎたまふ時に成りませる神の名は、

[運用 42] 底津綿津見(そこつわたつみ)の神。 ・・(実践智の働き)

[運用 43] 次に底筒(そこつつ)の男(を)の命。』 ・・(実践智の確認)

『 中に滌ぎたまふ時に成りませる神の名は、

[運用 44] 中津綿津見の神。 ・・(五感欲望の働き)

[運用 45] 次に中筒の男の命。』 ・・(五感欲望の確認)

『 水の上に滌ぎたまふ時に成りませる神の名は、

[運用 46] 上津綿津見の神。 ・・(経験知の働き)

[運用 47] 次に上筒の男の命。』・・(経験知の確認)

≪意識の自覚的な性(さが)の向う方向論≫

『 この三柱の綿津見の神は、阿曇(あずみ)の連(むらじ)等が祖神(おやかみ)と斎(いつ)く神なり。

かれ阿曇の連等は、その綿津見の神の子宇都志(うつし)日金柝の命の子孫(のち)なり。

その底筒の男の命、中筒の男の命、上筒の男の命三柱の神は、墨(すみ)の江(え)の三前の大神な

り。』

≪理想の意識運用論。≫

『 ここに左の御目を洗ひたまふ時に成りませる神の名は、

[運用 48]天照らす大御神。』 ・・(人類文明創造の最高規範、天津太祝詞、やたの鏡)

『 次に右の御目を洗ひたまふ時に成りませる神の名は、

[運用 49] 月読(つくよみ)の命。』・・(精神的学問文化をコントロールする精神構造)

『 次に御鼻を洗ひたまふ時に成りませる神の名は、

[運用 50] 建速須佐の男の命。』 ・・(欲望性能の整理、物質的繁栄をもたらす精神構造)

≪人類の歓喜論。≫

『 この時伊耶那岐の命大(いた)く歓喜(よろこ)ばして詔りたまひしく、

「吾は子を生み生みて、生みの終(はて)に、三はしらの貴子(うずみこ)を得たり」

と詔りたまひて、すなはちその御頸珠(みくびたま)の玉(たま)の緒ももゆらに取りゆらかして、

天照らす大御神に賜ひて詔りたまはく、「汝(な)が命(みこと)は高天の原を知らせ」と、

言依(ことよ)さして賜ひき。かれその御頸珠の名を、御倉板挙(みくらたな)の神といふ。』

『 次に月読の命に詔りたまはく、「汝が命は夜(よ)の食国(おすくに)を知らせ」と、言依さしたまひき』

『 次に建速須佐の男の命に詔りたまはく、「汝が命は海原(よなばら)を知らせ」と、言依さしたまひき』

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◎◎

≪歴史への運用、発展へ。≫

『 故(かれ)、各(おのおの)依(よ)さしたまひし命(みこと)の随(まにま)に、知らしめす中に、速須佐

男(を)の命(みこと)、依さしたまへる国を治らさずて、八拳須心前(やつかひげむなさき)に至るまで、

啼(な)きいさちき。その泣く状(さま)は、青山は枯山なす泣き枯らし、河海は悉(ことごと)に泣き乾(ほ

)しき。』

『 ここをもちて悪(あら)ぶる神の音なひ、さ蝿(ばへ)如(な)す皆満ち、萬の物の妖(わざわひ)悉に発

(おこ)りき。

故(かれ)、伊耶那岐の大御神、速須佐之男命に詔りたまはく、「何とかも汝(いまし)は事依させる国を

治らさずて、哭きいさちる。」とのりたまへば、

答へ白さく、「僕(あ)は妣(はは)の国根(ね)の堅洲国(かたすくに)に羅(まか)らむとおもふがからに

哭く」とまをしたまひき。』

『 ここに伊耶那岐の大御神大く(いた)忿怒(いか)らして詔りたまはく、「然(しか)らば汝はこの国にな

住(とど)まりそ」

と詔りたまひて、すなはち神遂(かむや)らひに遂らひたまひき。』

『 故、その伊耶那岐大神は、淡路の多賀にまします。』

「是の後に伊弉諾尊(いざなぎのみこと)、神功(かんこと)既に竟(を)へたまひて、霊運当遷(かむあが

りましなんとす

是を以て幽宮(かくれのみや)を淡路の洲(す)に構(つく)り、寂然(しずかた)長く隠れましき。亦曰く、

伊弉諾尊功(こと)既に至りぬ。徳(いさはひ)亦大いなり。是(ここ)に天に登りまして、報告(かへりこど)

したまふ。

仍(すなわ)ち日の少宮(わかみや)に留(とどま)り宅(す)みましぬ。」(日本書紀。)