ぬ こころの言霊現象学の構造

こころの言霊現象学の構造

心の原理の初め

「○○」を見る視点、自分で「○○」と言った時のその「○○」の原点があります。

当初の始まりは、「○○」があるものとして、「○○」からの依頼命令が、私の心に「○○」が乗(宣)り移ることです。「○○」は整理運用判断確認の構造機能を与え、私の心はそれを受ける形をとり、それによってことの始まりが起きます。この両者は後になって剖判し、人の意識の全体の元となります。

ことの剖判以前がありそれは主体的でも客体的でもありません。それを主客の未剖判と言い、そこからその人の意識が始まります。「○○」に関する有る無しの判断以前の世界が始まりにあります。

心の原理

【天地(あ・め・つ・ち)の

吾(あ)の眼(め)が付(つ)いて智(ち)に成る心の宇宙世界の、

私(あ)の意識(め)を込めて相手対象に付(つ)け、その地(ち)に実を成らす心の世界の、

内に見た心の内にある何かの (あ)

現れ出ようとする宇宙世界の兆しが (め)

心の内に付いて現れ出ようとするイマココに (つ)

心の領域である地に成りその締まりを創る (ち)

(天地とは目に見える外の宇宙世界ではなく、心の宇宙世界のこと)

【初発(はじめ)の時、

その心の端緒の精神領域が産まれるの時、

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【高天(たかあま)の原(はら)に成りませる神の名(みな)は、

心の精神原野に先天の実在が成りでてくる(道は一を生じ)その名付けられたものは

【天の御中主(みなかぬし)の神。次に

あめのみなかぬしと名付けられて出現し、先天の身の中主となって、自らを前承する上昇螺旋循環の言霊として、

【次に

その意識の持続とともに剖判し、

【高御産巣日(たかみむすび)の神。次に

いきさま・働き側の(一は二を生じ)主体となり、

【神産巣日(かみむすび)の神

次いで、ありさま・実体側の(一は二を生じ)客体となる。

【この三柱の神は、みな独神(ひとりがみ)に成りまして、

身の中主といきさまとありさまの三態(二は三を生じる)は他に依存せず

【身(み)を隠したまひき。

それ自体でだけで存在しているので、先天構造の中だけの存在として後天的な具体性を持っていない。

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【次に

連続進展していく心の中では、

【国稚(わか)く、

主客を組み合わせて似せることや区切って似せて名を付けることが、若く不安定で内容を表現しきれなく、

【浮かべる脂(あぶら)の如くして水母(くらげ)なす漂(ただよ)へる時に、

浮遊する油のようなクラゲ(暗気)によって形を見通せない状態の時に、

【葦牙(あしかび)のごと萌(も)え騰(あが)る物に因りて成りませる神の名は、

過去から持ち来たらされた無秩序に芽吹いて出てくるものによって出現してくるものに名付け与えられた名は、

【宇摩志阿斯訶備比古遅(うましあしかびひこぢ)の神。次に、

経験の記憶として霊妙に吾の眼が静まっていた心の中を突き破って掻き集まるように出てくるひこぢ(男・音子)になったもの、次に、

【天の常立(とこたち)の神。

あったものである記憶を自然な状態で記憶して関連させていき、恒常的な性格をもたらす主体をあらわすものである

【この二柱の神もみな独神に成りまして、身を隠したまひき。

過去にあるものを今現在にもたらす、人の出来事の記憶の世界と記憶する世界もそれだけで独立していて、他に依存せず一つの心の世界です。

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【次に成りませる神の名は、

心の世界に先天の存在が次々に成り立っていきますが、それ自体は現象となって姿を現わすことはなく心の構成要素となり、さらに先天要素ができます。それは。

【国の常立(とこたち)の神。次に

過去からの自然にある世界が記憶として出てきて立った後には、それらを選別し選択して提出する働きが出てきます。

天の常立ちでは過去から無造作に現在に出てくるものでしたが、国の常立ちでは現に在るものを選んで未来へ提起する整理分別分配按配の選択として出てきます。

【豊雲野(とよくも)の神

選択にはその為の思惟判断の規範が必要となりますから、選択判断を行なうと同時に思惟規範が立ちます。この規範は十四の要素(トヨ・豊)で組み合わされる(組む・クモ)規範原野図(野)です。

(アイエオウ・タカマハラナヤサ・ワのこと)

【この二柱の神も、独神に成りまして、身を隠したまひき。

過去からイマココに現れる記憶の過去概念の判断知識とは次元世界(アシカビヒコジ・アメノトコタチ)を異にして、クニノトコタチ・トヨクモノの次元世界はイマココのものを未来へ置こうとする選択の実践智慧の知識の世界です。似ているようですが全く違うものです。

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【次に成りませる神の名は、

今までは実在となる世界の説明で、ここからは先天実在世界の主客に加わるはたらきになります。実体に対する働き、動き、霊、気の世界です。

この働き世界は上記の実体世界の種々なあり方となって出てきて、それぞれ対の二神(主客・陰陽・作用反作用)として実在世界を現わします。

ここに出てくる【次に、次に】は、働きの主客側の二対になった四組で八つの働きを示します。それが人のいきさまの八つの典型の現れとなります。

いまここにあるものの心のあり方を現わす働きで、いまここにあるもがどのような働きでいまここにあるかを示し、いまここにあるものは四つの働き方でいまここに出現してくる。

一、最初は、現に在るものを現にあらしめる働きです。現にあらしめる主体の働きとあらしめられる客体の働きが在る。(五感欲望、五感感覚の世界)

二、次いで、過去にあったものをいまここに持ち来らす働きで、持ち来らす主体の働きと、持ち来らされる客体の働きがある。(記憶、概念整理運用、知識の世界)

三、次いで、それら現に在るものをいまここから未来へ置き導く働きで、未来へ置き導く働きと、未来へ置き導かれる客体の働きがある。(政治、道徳、選択按配の世界)

四、そして、いまここにあるものの上記全体の収縮拡散の働きがあり、上記全体の収縮する働きと拡散する働きがある。この四番目の働きは収縮と拡散の働きにそれぞれ主客があるのではなく、主客同一のまま収縮拡散されるので、主客同一(自己同一)のまま在るか無いかの形をとる。(感情、宗教、芸術等の世界)

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【宇比地邇(うひぢに)の神。

ウヒヂニ

ウ(軒・屋根・家)はヂ(地)に比(ヒ)べて( 邇・ニ)近いと読まれ、現に在る家の中にいる状態は 、家の建つ地にいるよりも近く身近で直接的である、あるいは、現に家中にいる状態は知識(ヂ)で説明してもらうよりは今の直接的な状態を説明するという、直接力動の働く世界。欲望五感感覚の主体側。

(別解)宇比地邇(うひぢに)の神。

『現れ方の最初の父韻は、心の宇宙・家全体(宇・人格)は地に比べて以て近(邇)い、(心全体が地に近い・心がそのまま現象となって現れる)ものを現そうとする力動韻で、言霊チと名付ける。 』

「「現にあるものとして全体(宇)を見ている見方で、思い考えが相手対象(地)に付いて確認(比)する以前にそのままの通り(邇)としてしまう見方の力動韻。」(チテツトタの力動韻・今-今の働き主体側)

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【妹須比智邇(いもすひぢに)の神。】

スヒヂニ。

須らく智に比べるに近かるべしと読まれ、

智に比べるまでもなく為してしまっている近い世界が持続しているという働きで、知識や智慧を介入させて、ワンクッション置くことなく直接力動の働く世界。欲望、五感感覚の客体側。

共に意識の働きの直接的力動の内に留まる今-今を現出持続する世界をつくる。

(別解) 妹須比智邇(いもすひぢに)の神。

『次に。須らく智に比ぶるに近かるべしと読め、パッと現れ得られたものが弥栄に延び続く姿で、知識で考えながらしていくよりも智恵による即時的な判断行為が相手側に延びていく力動韻、言霊イ(や行)と名付ける。 』

「次に、知識を取り出し整理比較検討(須)して知識を出し合って(智)行為していくよりも(比)、現れ出た動きの持続の働きに乗ってしまう(邇)力動韻。」(イエユヨヤの力動韻・今-今の働き客体側)

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【角杙(つのぐひ)の神。

ツノグイ。

納まっていた角が延びてイマ現在に到達する様子で、延びきって今に到達した角を判断規範(くい)としていきます。過去にあった記憶概念知識として、言い換えれば、それらの納まっていた過去が角を伸ばしてイマココの現在にタッチした時に出現してくる主体側の能動因となります。

(別解) 角杙(つのぐひ)の神。

『天与の判断規範で人が生きるために必要な知識信条習慣等を、角を出すように掻き操って自分の方に引き寄せてくる働きの力動韻で、過去にできあがっている基準(角)を今に押し当てようとする、父韻の言霊キと名付ける。 』

「角は既得の判断規範で相手対象を自分の方に引き寄せ、自分と同じものにしようとする過去を引き寄せ現在にしようとする力動韻です。」(キケクコカの力動韻・過去-今の働き主体側)

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【妹活杙(いくぐひ)の神。

イクグイ。

ツノグイが角を出していく主体側の動きなら、イクグイはクイを打ち込み打ち込みそこに打ち留まり実となり、その時点での行程を現わす動きです。

(別解) 妹活杙(いくぐひ)の神。

『 今思いつき閃き等突如生き始める意識を判断の基準にして相手対象に結びつこうとする力動韻で、言霊ミと名付ける。』

「生きている印の判断を過去に結び付け、現在を過去において実となるようにする力動韻です。」(ミメムモマの力動韻・過去-今の働き客体側)

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【 意富斗能地(おほとのぢ)の神。

オホトノヂ。

大いなる計量の働きの地と読め、基準規範によって計られる識別判断の土台を与える不動の地を創るおおいなる働きで、延びてきた角がどこにどのように付くかの働き。ツノグイの過去からの角が現在に延びるのに対して、オホトノヂはイマ現在伸ばしている角の着地点を選択していく主体の行為。

(別解) 意富斗能地(おほとのぢ)の神。

『次に、大いなる量りの働きの地と読め、大いに安心できる(意富)度量識別(斗)の働き(能)の土台(地)を選択しそこに立ち止まり静まるようにする能動韻で、言霊シと名付ける。 』

「杙の判断があったものとして過去に向かうのに対して、斗(量り・測り)の判断はかくあるだろうという未来の相手対象に向かいますが、自分が大いなる識別・量りの能力を秘める安定した中心の土台になって未来を創造しようとする力動韻となる。」(シセスソサの力動韻・今-未来の働き主体側)

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【妹大斗乃弁(おほとのべ)の神。

オホトノベ。

大いなる計量の弁別識別と読め、オホトノヂが着地点を選択していく主体側の行為に対して、オホトノベは選択されたがわをこれかそれかどれかどうだと述べ拡げる行為です。

(別解) 妹大斗乃弁(おほとのべ)の神。

『大いなる量りのわきまえ、と読め、選択された識別の土台を大いに述べ伝え、心の宇宙の拡がりに向かってどこまでも活用されるよう発展伸長していく力動韻で、言霊リと名付ける。 』

「大いなる識別の基準判断が未来の事柄に述べ伝えられ、転がり拡がらせようとする力動韻」(リレルロラの力動韻・・今-未来の働き客体側)

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【於母陀流(おもだる)の神。

オモダル。

面に足る、主に垂ると読め、表面に完成する、主(ぬし)全体が垂れる現れる働きになります。

(別解) 於母陀流(おもだる)の神。

『 於母陀流・オモダルは表、面に足るで、表面に完成しようとする力動韻で、言霊ヒと名付ける。』

「心の表面に完成する働きの韻で、心の表面とは各言霊の表面であると同時に組み合わされ結びついた全体の表面、あるいはこれから出てくる意識の全体の表面でもある、心の表面になる韻。」(ヒヘフホハの力動韻・過去今未来の全体の働き主体側)

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【妹阿夜訶志古泥(あやかしこね)の神。

アヤカシコネ。

吾夜(あや)に畏(かしこ)き根(ね)と読まれ、オモダルが表面に完成し全体が現れるにたいして、主である内面(吾の夜)に霊験あらたかで有り難い根が張る、働きになります。

(別解) 妹阿夜訶志古泥(あやかしこね)の神。

『心の表面とは反対に心の中心部、底の部分(夜)に底部に物事の原因となるあやしきかしこき音(ね)が煮詰まり成ろうとする力動韻で、言霊ニと名付ける。』

「心の内部に怪しくも賢い創造意志の原因となるものが凝集煮詰まる韻。」(ニネヌノナの力動韻・過去今未来の全体の働き客体側)

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これまでのまとめ。

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ことの始めは、物質世界の話ではなく、物質を見聞きし考える世界の話でもありません。

もしそうであるなら、既に物質世界を意識していることになってしまいます。

そうではなく、それらが始まる以前の心の世界のことです。心の先天世界のことです。

そして、この心の先天世界によって、見聞き考え実践していく世界が創られます。

客観物質世界の話は基準点を創った後の科学の分野です。

心の世界の話は主観規範を創りつつある精神意識の分野です。

初めに何も無い主観の宇宙世界に剖判が始まり、意識主体内に客観側と主観側ができます。

次いで意識内の次元の相違が確認されていきます。それらを意識内の

言霊ウの主体側 言霊ウの客体側 (五感感覚による欲望世界)

言霊アの主体側 言霊ワの客体側 (感情情緒による感情世界)

言霊オの主体側 言霊ヲの客体側 (概念知識による記憶世界)

言霊エの主体側 言霊ヱの客体側 (選択按配による政治道徳世界)

で、現わします。

物の世界では相互の関係は外圧外力によるエネルギーの移動伝達の作用反作用で創造破壊が行なわれていきますが、

意識内の主客の世界でも同様に、主客の相互を揺すり揺らされ誘い合い取り結ぶ力動因があります。それが父韻と呼ばれる上記の八神です。

この八神は意識内の主客に働き掛け主客を取り結び現象創造を起こします。

実体世界の言霊ウオアエの主客の神はそれ自体で存在し続けるものですが、ただ在った物は有るという形で存在し続けるだけです。そこには流れと変化創造過程がありません。

そのただあるだけのものが、意識に宣(の)るや否や働き運動変化創造としての姿を現わします。

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【次に、伊耶那岐(いざなぎ)の神。次に、妹伊耶那美(み)の神。】

イザナギ ・ イザナミ。

この世の、ありさまといきさまを創造意志の形で表出させる原動力で、ありさまといきさまとなしさま(在り様、生き様、成し様)の三者を表出させる大本となります。

(別解)『イザと発動して、名の気と名の実でもって、お互いにいざなぎ誘い合って名を付ける、精神意識の根本的な原動力で、言霊イと言霊㐄と名付ける。』

「上記七神の実体母音を意識確認し、自らは父韻の八神に展開して:母音父韻を結びつけることで現象子音を創造し、生み出された現象を現す名を付ける根源韻となる。」(イ㐄の創造意志が実体世界を確認するとウアワヲオエヱになり、自らはチイキミシリヒニに展開する。)

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先天の言霊十七神の構造

瞬間における世界の構造・母音半母音父韻子音

ワ・ -------- ・ア

ヲ・ --現象子音-- ・オ

ウ・ -------- ・ウ

ヱ・ -------- ・エ

㐄・ ニヒリシミキイチ ・イ