『18 他人を救う規範への道・身禊の準備』
ここを以ちて伊耶那岐の大神の詔りたまひしく、
「吾(あ)はいな醜(しこ)め醜めき穢(きた)なき国に到りてありけり。かれ吾は御身(おほみま)の禊(はらへ)せむ」とのりたまひて、竺紫(つくし)の日向(ひむか)の橘(たちばな)の小門(おど)の阿波岐原(あはぎはら)に到りまして、禊ぎ祓へたまひき。
0)かれ投げ棄(う)つる御杖に成りませる神の名は、衝き立つ船戸(つきたつふなど)の神。次に
1)投げ棄つる御帯(みおび)に成りませる神の名は、道の長乳歯(みちのながちは)の神。次に
2)投げ棄つる御嚢(みふくろ)に成りませる神の名は、時量師(ときおかし)の神。次に
3)投げ棄つる御衣(みけし)に成りませる神の名は、煩累の大人(わずらひのうし)の神。次に
4)投げ棄つる御褌(みはかま)に成りませる神の名は、道俣(ちまた)の神。次に
5)投げ棄つる御冠(みかかぶり)に成りませる神の名は、飽咋の大人(あきぐひのうし)の神。
次に投げ棄つる左の御手の手纏(たまき)に成りませる神の名は、
奥疎(おきさかる)の神。次に
奥津那芸佐毘古(なぎさびこ)の神。次に
奥津甲斐弁羅(かいべら)の神。
次に投げ棄つる右の御手の手纏に成りませる神の名は、
辺疎(へさかる)の神。次に
辺津那芸佐毘古(へつなぎさびこ)の神。次に
辺津甲斐弁羅(へつかいべら)の神。
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