古事記の鏡3 島々の生成(宇宙区分)

( 3 )

かれここに降りまして、更にその天の御柱を往き廻りたまふこと、先の如くなりき。

ここに伊耶那岐の命、まづ「あなにやし、えをとめを」とのりたまひ、後に妹伊耶那美の命、「あなにやし、えをとこを」とのりたまひき。かくのりたまひ竟へて、御合いまして、子淡路の穂の狭別の島を生みたまひき。


かれここに降りまして、更にその天の御柱を往き廻りたまふこと、先の如くなりき。

また天津神十七神の原則に戻ります。ヒルコと淡島は一般社会性が載る土俵としてそのまま流布します。柱は意識の統合の象徴ですが、別に言えば未分割であることの象徴でもあります。そこでイザナミは自分の身分を明らかにするため実、身切り、右廻りします。今度は意識の次元が明らかになるでしょう。イザナギは自分の時処位をはっきりとしたものにするでしょう。左、霊足り、ひたり。意識の所在をハッキリさせるための左右という言葉を使用したので、実際に分かれて廻ることではありません。。


ここに伊耶那岐の命、まづ「あなにやし、えをとめを」とのりたまひ、後に妹伊耶那美の命、「あなにやし、えをとこを」とのりたまひき。かくのりたまひ竟へて、御合いまして、子淡路の穂の狭別の島を生みたまひき。

子供を産む準備をします。子供というのは現象子音のことです。ここで子音が生まれるに到る経過の段階が明かされます。意識の通過する締り領域という形で説かれています。領域といっても島国日本の国、島、を次々に造成していくのではありません。

子音とは何か。

ヲトメとヲトコを統一したものです。ヲトメとはヲ留メ止メ、ヲトコとはヲ常、恒常に留め置く、です。ヲは意識に昇った母音で、ウマシアシカビヒコジです。たかまはらをTaKaMaHaRaと書くと、イザナギは鳴き止まないaをTKMHRで止め留め置き寸断してaの実相を現し、イザナミ、a、は、TKMHRに載ってすくわれ永久常に現れてaの子供がでてきます。意識の次元、時処位が現れます。

男神の言霊子音頭、t、y、k、m、s、r、h、nが、先に発音し霊を満たし、ヒタリ(左)、ついで女神の実、イエウオア、を切り、ミキリ(右)、鳴き止ませます。こうして実態を持った子供が生まれます。


子淡路の穂の狭別の島を生みたまひき。

島、締り。

かくして初めて正規の自己領域である子が生まれました。言葉をイメ~ジし発し聞かれ了解されて双方に共有されるまで、全部で島、段階、あります。自分で何か発音したのを納得了解するまでに、これから八つもの領域を通過することになりますが、その始めです。言霊は各島に配分され、またそれ自身が言葉の発生ともなっています。言葉の発声了解に到るためには言葉の発生領域を全部通過しているかを問われます。

これら島は何も無い所に突然現れるのではなく、何に載って現れるのかというと、先に葦船に載せて流した淡島と蛭子です。ということは私達は最初から蛭子(霊流子)の肩に載っているのです。それを脱するには島全部を渡り歩かねばなりません。

まずは言葉を創造し次の段落で運用働きを見ていきます。


最初の八島で言葉を創造します。その内前五島は先天の言葉の領域です。

蛭子淡島が、意識の始めにあめつちがあるように、言葉の始めにあります。


頭脳内先天意識の段階です。

0蛭子と淡島

先天の土俵。

子淡路の穂の狭別の島、言霊ウ。

次のアワのになる領域が載ります。始めの言葉意識の実態領域

伊予の二名(ふたな)の島、言霊アワ。

次のヲオエヱになる領域が載ります。

隠岐(おき)の三子(みつご)の島、言霊ヲオエヱ。

次のイゐになる領域が載ります。

筑紫(つくし)の島、言霊チイキミシリヒ二。

八つのイゐの働き尽くす領域です。

伊岐(いき)の島、言霊イゐ。

イゐの統括、スメル、統率、領域です。

以上は先天の言葉意識の実態と働きの領域。


次いで以下ここから子音を産む具象化が始まります。

津(つ)島。言霊タトヨツテヤユエケメ。

まず先天の言葉意識のイメ~ジ化して子音に近づく第一歩で、先天を離れ後天領域に入ります。

佐渡(さど)の島。言霊クムスルソセホヘ。

イメ~ジの物象化。物化に到る中間段階。

大倭豊秋津(おほやまととよあきつ)島。言霊フモハヌ・ラサロネノカマナコ。

物象の物質化。言霊フモハヌ。明らかに物質として、意識も、現れます。

物質化の物化(言葉)へ。言霊ラサロネノカマナコ。相手側に聞かれ了解されます。

上記全体を一周して運搬して言霊ンとなり先天に帰る。たかまはらと発音するなら上記八を五周していく。

01言霊ン。物となった言霊子音。


次に一島づつ解説します。

言葉は声帯で発声するだけですが、納得する言語活動を完了するに到るまでにはまだまだ細かい、それでいて本質的に異なった経過を経なければなりません。その都度言葉の載る領域が変わります。では領域の始まる前は何があったのでしょうか。丁度海中に陸地になる砂地があったのでしょうか。それが先天十七神の実態と働きです。ですので領域はあちこちにポコポコと陸地が出来るようではなく、最初の領域から剖判枝分かれしていくように成ります。

子淡路の穂の狭別の島

最初の島、締りです。何を載せる領域ができてしまったのでしょうか。吾(あ)の眼(め)を付(つ)けて智(ち)と成す初発の時、高天原に成りまする神の御名は天の御中主の神です。先天の最初の言葉意識が吾の眼を産もうと主張する領域です。吾の眼はどこから来たのかというと、蛭子淡島からです。

意識の始まりがある、何か生まれるものがあるというだけのもので子細はなにもない。しかし相手対象に載るためには、何もないが蛭子の一般性の様なものが控えています。自他ともに通じ合うためにです。言霊ウ。

それが承認されるや否や主体と客体に分かれます。

誰が承認して何を分けようとするのか。

それはすでに先天規範になっていたフトマニがあるからです。フトマニは最終規範の真似事(マニ)でしかありませんが、それであるからこそ始まりの不確かな世界にはふさわしいのです。

島名は次にくる言霊アワの名をとっています。アワへの路に続く言霊(意識)、穂、の狭い通路から分かれて出てきた意識の領域。もし分かれて出てこないなら、言霊ウはウウウ~と鳴きっぱなしになる。

では発音されたウが剖判していくのかといえばウは剖判しない。そうではなく、ウの意識が剖判して、自分に見合った実在と働きを探り当て、次の成長領域に渡される。そうでなければウウウ~に留まることになります。

アワに成ると言っても発音上のアワではなく、意識上、心のアワのこととなる。

何故アワに成るのかは次のようです。当初のウは子細は何も無く何かうごめき何だか生めそうな何かうきうきするものがあるだけでした。そこにあるのはウ一般だけです。そこで心が動き、動くものを感じた時、心の動きは動くものと動いた物の二種類があることに気付かされます。子細は未だになく、自分の感じるウと感じられたウが主体と客体、主客として判別できるようになります。

しかし主客のウは、感じるウと感じられるウは、同格同体です。そこで狭い通路というわけです。

狭別は前もって分かれる道のりを、アの主体( 高御産巣日の神)からワの客体( 神産巣日の神)へ渡る路(淡路)を通る言霊(穂)の先駆けとして分かれ出る(狭別)意識の領域が準備してあるとなります。子の二者への剖判の路に載らないと相変わらずウウウ~です。

次の締りに渡ります。  

伊予の二名(ふたな)の島を生みたまひき。

この島は身一つにして面四つあり。面ごとに名あり。かれ伊予の国を愛比売(えひめ)といひ、讃岐の国を飯依比古(いいよりひこ)といひ、粟(あわ)の国を、大宜都比売(おほげつひめ)といひ、土左(とさ)の国を建依別(たけよりわけ)といふ。次に

伊予の二名の島

予めに用意のイの神キミの二名の島。始めであり終わり。大人の予めが青年に、青年の予めが幼年に、幼年の予めが赤子に、赤子の予めが先天に載っているようにです。

この島は身一つにして面四つあり。面ごとに名あり。

アワの領域、に渡ったとたんに、言霊ウが確定します(身一つにして)。次いでここで用意されている四つの言霊領域を予め見ることになります(オヲエヱの面四つ)。

ここはまだアワの領域です。ですので面四つは国名にかこつけて、アからワへ渡る処方を述べています。そしてそれらは最後はイに依って統括され姿を現します。

かれ伊予の国を愛比売(えひめ)といひ、

言霊内での言葉の発生順序はウアワヲオエヱで、ここでは過去意識から未来意識への意識の流れの領域を担当します。それは言霊イ㐄にまで続く(伊予、伊の予め)通路の最初の二つの名です。それらは循環していますからオと言う時にはエはオに秘められているわけです。

同様に、言霊オはあらかじめウアワに秘められています。

伊予の国は、予め収束させるためのイザナギの御柱を立てることで、オを通過した後でイに到達してからのこととなります

そのためには愛比売でエを秘めていることが必要。エを秘めているのは剖判前の言霊オであり、剖判前の高御産巣日、言霊アです。

讃岐の国を飯依比古(いいよりひこ)といひ、

言霊エのあらかじめの領域。

讃岐の国は、イに到達するため(正規の言葉が誕生するため)に、ア・タカマハラナヤサで最後のサを抜き(讃岐)にしてしまうことは、イの主体活動に寄り(依り)から(主体の活動)ないので不可能になるためサを抜くことはできない。

言霊イ(イ)の霊(ヒ)を選り出る(ヨリ)主体側の活動主体(ヒコ)が必要。選択主体の言霊エ。

剖判前の高御産巣日、言霊アからくる。

粟(あわ)の国を、大宜都比売(おほげつひめ)といひ、

言霊ヲのあらかじめの領域。

粟の国は、ア行の主体側からワ行の客体側に渡って行くには、客体言霊ワヲの大いによろしいみやこを秘めているの組織体、御(ミ・柱・言霊)の家屋(ヤコ・言霊構成体)が必要。言霊五十音図が予め必要。

剖判前の神産巣日、言霊ワ。

土左(とさ)の国を建依別(たけよりわけ)といふ。

言霊ヱのあらかじめの領域。渡サ、サに渡る。

土佐の国は、ア・タカマハラナヤサ・ワと渡って十番目の客体ワに「サ」を通ってめでたく行き着くには(ト~サ)、

タケヨリワケは田気(タケ)選り分ける(ヨリワケ)で、言霊が選ばれる。

剖判前の神産巣日から、言霊ワ、ヲ、ヱ。

言霊アは剖判してオエに受け継がれ、言霊ワは剖判してヲヱに受け継がれる。この剖判が自覚へとつながります。


隠岐(おき)の三子(みつご)の島を生みたまひき。またの名は天の忍許呂別(おしころわけ)。次に

隠岐は穏気が隠れていて起きる、前段の四つのあらかじめが起きて現れる領域。三子はあらかじめの隠れていた密子(みつご)、言霊ウ、言霊アワ、言霊ヲオエヱの三つの言霊領域のことと同時に先天図(天津磐境)の三段目に位置する。

天の忍許呂別(おしころわけ)とは、二名の島に忍んでいた、先天の(天)心(許呂)が分かれて出てきた区分領域の意。言霊オ(経験知)と言霊エ(実践智)は人間の生の営み、人類文明創造に於ては最も重要な心の性能です。自覚の認識と自覚の選択へ剖判していき、実体世界を全て見せます。

三領域の命名は特徴があって皆先取りした名前を秘めています。密子、トサ、アワ、サ抜き、エ秘め、伊予、先分け等、先天が先天に秘められていることを示しています。

この後の子音領域では、現象となったものなので秘められるではなく、物質を渡す留めるという意味の言葉使いになっています。


筑紫(つくし)の島を生みたまひき。この島も身一つにして面四つあり。面ごとに名あり。かれ筑紫の国を白日別(しらひわけ)といひ、豊(とよ)の国を豊日別(とよひわけ)といひ、肥(ひ)の国を建日向日豊久士比泥別(たけひわけひとわくじひわけ)といひ、熊曽(くまそ)の国を建日別といふ。次に

ここは働きを尽くす動きを尽くしていく領域です。

身一つ、面四つ。

身一つ。実態次元では伊予の二名の島から四つの次元世界が、働き次元では壱岐伊予の伊から面四つがでてきます。ここでの面四つは四人分の顔を持つではなく、イザナギとイザナミが統一体として身一つですから、四つの対になった働き作用、言霊イから出た、を持つことです。そのことを日別(ひわけ)、霊別れ分けといって、二つの言霊の四組となっています。内容は、

筑紫の国を白(SRa)日別しらひわけ)といひ、 父韻として尽くす、筑紫、領域を、シラ、SiRa霊分けといい、言霊シリ、

豊(とよ)の国を豊(ToY日別(とよひわけ)といひ、 父韻として十四(トヨ)言霊を組む領域を、ToYo霊分けといい、言霊チイ、

肥(ひ)の国を建日向日豊久士比泥(HiNe)別(たけひむかひとよくじひねわけ)といひ、 父韻として言霊の実相が出る領域を、HiNe霊分けといい、言霊ヒニ、

(KuMa)曽(くまそ)の国を建日別(たけひわけ)といふ。 父韻として要素(ソ)を組む(クマ)領域を、 KuMa、霊分け、言霊キミ、と読み込みます。

それぞれの欧文の大文字を取ると、八方向の意識、八父韻になります。TYKMSRHN。また主客の二つを一組とすると四組み(四組の面)となり、父韻に対応していきます。

一文にまとめると、父韻として尽くす(筑紫)領域は、それぞれ主客の四組があり八面の役割をもっていて、

先天言霊トヨ(十四)を組んで、言霊の実相を選びより出すように根元からひねりだして、それらの要素を組んで、先天を分けた後言霊を産むことです。


参照。八父韻

宇比地邇(うひぢに)の神。 今有るか無いかを現象させる力動韻。T。

妹須比智邇(いもすひぢに)の神。 今有るか無いかの現象を持続させる力動韻。Y.

角杙(つのぐひ)の神。 今から過去の現象に結び付られようとする力動韻。K..

妹活杙(いくぐひ)の神。 過去の現象を今に結び付けようとする力動韻。M

意富斗能地(おほとのぢ)の神。 今から未来に向いそこで収まり静まる力動韻。S

妹大斗乃弁(おほとのべ)の神。 未来に今を受け取らせ拡張伸張させる力動韻。R

於母陀流(おもだる)の神。 今全体を開き表面に開花する力動韻。H

妹阿夜訶志古泥(あやかしこね)の神。 今全体を受けとり中心部に収束する力動韻。N


伊岐(いき)の島を生みたまひき。またの名は天比登都柱(あめひとつはしら)といふ。次に

伊岐(いき)の島とは、イザナギ・イザナミの精神宇宙の領域で、キミの統一された絶対神の領域。

天比登都柱(あめひとつはしら)とは、吾の眼の先天構造の一つ柱。吾の眼の先天構造神が一つの柱の中で統一されています。人の意識活動の初めも終わりもこの一つ柱の心、私の心の絶対領域、から発現していき、またこの柱へ戻っていきます。

天の御柱を既に立てています。此れとの違いは御柱が先天に与えられたものであるのに、あめひとつとある通り御柱に載った個人の自覚後の締りの領域です。ここから個人の現象、私の吾の眼、が出てきます。


~~~

ここまでの五島が人の先天構造を構成し、また先天の実体となって領域を確定してから現象を形成していきます。

この後、後天の領域が三つ説明され、手に入れられる実体となります。しかしこれで実体要素を得ても、使いこなすこととは違います。また使い方も自覚して使用するのと与えられているものを使用するのとでも違います。更に自分のため自利と利他、自分と社会世界との関係もありますが、その前に如何に自覚するかを、黄泉の国を通して学びます。

次は後天実体要素を載せる領域の三態です。以下の言霊が載ります。計三十二。

津島、タトヨツテヤユエケメ。

佐渡の島、クムスルソセホヘ。

大倭豊秋津島、フモハヌラサロレノネカマナコ。

島全体を指して、ン。

先天十七+後天子音三十二+ンで五十。言霊実態の五十音図となる。

次いで先天から後天への橋渡しです。


津(つ)島を生みたまひき。またの名は天(あめ)の狭手依比売(さでよりひめ)といふ。次に

津島の津は渡す、船着場の意味です。今ここまでで先天に発生したものがあめのひとつ柱となって芽生えてきました。実際には頭脳内の出来事です。脳内で受け渡しがまずイメ~ジとして行われます。

天の狭手依比売とは、先天の十七神より子音という船荷を指(サ)し示されたが、移動のため手(テ)渡しで選りすぐられるもの(ヨリ)がまだ言葉とならないで秘め(ヒメ)られている段階。

子音現象として確認されるにはまだ先になります。

タで、先天の精神宇宙が全面に押し出され、

トヨで、押し出されたものが十(ト)の父韻と四(ヨ)っつの実体世界であることが確認され、

ツで、確認されたものが「ツー」と頭脳中枢に現れ、

テで、現れたもの同士が結ばれるため手を貸し選択し合い、

で、結ばれてイメージ物象となり、

ユで、霊体の混じり統一された湯のようになり、

エで、それが溜まって固まり、

ケメで、物象に渡されるのを待ち、


佐渡(さど)の島を生みたまひき。次に

佐渡とは、助けて渡す。未だに頭脳内のことです。形(言葉)として現れたいものを助けあげて、形にしてあげる段階です。

先天構造のイメージ化の後にイメージの現象化に当たって、物質との結びつきを求める領域です。先天構造の内容が物象に載りそのまま渡されます。

クムで、心イメ~ジと言霊言葉が探され組まれ、

スルで、スラスラと相手に伝わり載るのを助け、

ソセで、そのためのエネルギーが注がれ、

ホヘで、内容形式とも発出(発声)されます。


大倭豊秋津(おほやまととよあきつ)島を生みたまひき。またの名は天(あま)つ御虚空豊秋津根別(みそらとよあきつねわけ)といふ。

大倭豊秋津島とは、大いなる八(ヤ)つの領域(マ)の戸(ト)が豊に明らか(トヨアキ)に開けられて渡され現れる(ツ)船の集荷場。

天つ御虚空豊秋津根別とは、吾の間(アマツ)の内実(ミ)が注ぎ流れ込み(ソラ)豊に明らか(トヨアキ)に根本(ネ、脳髄)から別れ出てくる(ワケ)。

先天構造が物象化され、物質化へと変態し、今度は物質の動きとなります。発声発音に変態されるため息に載る姿が説明されます。

フで、言葉は息となり心の内容も息、発声に載ります。

モで、心の内容は息となっても久しく後々まで関係がつながっています。

ハで、先天からの今までの経過が全部つながっているのが言葉です。

ヌで、そこには心の家屋が縫い込まれています。

ラサで、耳垢に心の家屋を建てようとします。

ロレで、耳の中にぐるぐる入り込む様子です。

ノネで、耳の奥に再建されます。

カマで、意味内容が確認され、心の構築物となります。

ナで、確認された息に載った名のついた心が運ばれます。

コで、こうして耳に入った内容が確定して子が生まれます。

ンで、単位要素の領域に載せる実体(文字、発音その他)の総称です。

かれこの八島のまづ生まれしに因りて、大八島国(おほやしまくに)といふ。

残り六島です。ここまでが現象に先立つ領域の確定で、現象の単位要素ができます。この後現象の使用運用となります。

~~~



然ありて後還ります時に、

言霊運用領域の要素が揃えられたので使用することになります。

運用使用法そのものが領域として立てられます。


吉備(きび)の児島(こじま)を生みたまひき。

またの名は建日方別(たけひかたわけ)といふ。次に

吉備(きび)の児島(こじま)を生みたまひき。またの名は建日方別(たけひかたわけ)といふ。

吉備の児島。良く備わった小さい初歩の言霊運用法となる領域。

建日方別。田気(タケ、音図)霊片分けで、田んぼのような整然とした言霊音図を使用して、これから意識の運用に向かう。そこで二種類の、客観世界か主体世界の精神性に赴くかの方向へ別れる。


小豆島(あづきしま)を生みたまひき。

またの名は大野手比売(おほのてひめ)といふ。次に

小豆島とは、明らかに続く意識運用の領域(父韻)。

大野手比売とは、大いなる(大)横に平らに展開している(野)働き(手)を秘めている(比売)の意です。音図を見れば八父韻は横に一列に展開しています。

大いなる父韻を載せる選択が秘められている領域

大八島で、意識が使用できる言葉の単位元素の載る領域ができた後で今度は、それらの扱われる領域が形成されます。意識はこの領域の範囲内で活躍できます。ということは、正解も間違えも逸脱も全てこの領域内での出来事となります。その最初の方向性が建日方別に初歩的ながら揃っています。

そしてそれを選択させるのが小豆島の領域です。アズキは吾の続く領域で言霊が単元として成立した後も、父韻の選択によって吾の意識は明らかに続いているということになります。


大島(おほしま)を生みたまひき。

またの名は大多麻流別(おほたまるわけ)といふ。次に

大島とは、大いなる価値のある領域。

大多麻流別とは、父韻と交じわうことによって、大いなる(大)言霊(多麻[たま])の力を発揚する(流[る])区分(別[わけ])という事になります。

吉備の児島で運用法の実態単元が出揃い、運用の主体表現を小豆島で得て、大島で自己にとっての大いなる価値のある音図領域を構築しました。

しかし構築したのは頭脳内のことで、自己の表現手段をまだもっていないので表現手段を創り出します。


女島(ひめしま)を生みたまひき。

またの名は天一根(あめひとつね)といふ。次に

女島とは、神代文字の原理の領域。

天一根とは、元は一つの出所から。


表現は公のものとなります。

そこで客観性を帯び、客体世界とは何かが明かされます。

黄泉の国

そして黄泉国の汚さからの禊ぎに入ります。


知珂(ちか)の島を生みたまひき。

またの名は天の忍男(おしを)。次に

知珂とは、経験知識をしかりたしなめる領域。

天の忍男とは、人間精神の中(天)の最も大きな(忍[おし])働き(男)という事です。

大島では個人的に最高の言霊運用法を手にしましたが、表現という公の手段を用いることで角逐を生じることになります。

両児(ふたご)の島を生みたまひき。

またの名は天の両屋(ふたや)といふ。

両児の島とは、天の両屋とは、両児または両屋と両の字が附けられますのは、この言霊百神の原理の話の最終段階で、百音図の上段の人間の精神を構成する最終要素である言霊五十個と、下段の五十個の言霊を操作・運用して人間精神の最高の規範を作り出す方法との上下二段(両屋)それぞれの原理が確立され、文字通り言霊百神の道、即ち百道(もち)の学問が完成された事を示しております。先に古事記の神話の中で、言霊子音を生む前に、言霊それぞれが心の宇宙に占める区分として計十四の島を設定しました。今回の両児の島にてその宇宙区分の話も終った事になりま す。

公私、主客、先天後天、原理運用、アワの対立が止揚されます。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

言霊百神 神々の宝座 (島田正路氏による)

(一) 淡路の穂の狭別の島

天の御中主の神 ウ

アとワ(淡路)の言霊(穂)が別れて出て来る(別)狭い(狭)区分(島) 言霊ウは主客未剖、アワはそこから分れます

(二) 伊豫の二名島

高御産巣日の神 ア

神産巣日の神 ワ

二名とはアとワの二音言霊のこと 宇宙剖判で主体アと客体ワに分れます この主と客に分かれることが全ての自覚の始まりです イとヰの現象を創造する働きの予めの区分

(三) 隠岐の三子島

天の常立の神 オ

宇摩志阿斯訶備比古遅の神 ヲ

国の常立の神 エ

豊雲野の神 ヱ

隠岐とは隠り神、三つ子とは三段目に現われる言霊という意味

言霊オ・ヲ(経験知)、エ・ヱ(実践智)は文明創造上最も重要な精神性能です

(四) 竺紫の島

宇比地邇神・妹須比地邇神 チ・イ

角杙神・妹生杙神 キ・ミ

意富斗能地神・妹大斗乃弁神 シ・リ

於母陀流神・妹阿夜訶志古泥神 ヒ・ニ

竺紫は尽くしの謎 八つの父韻は言霊イ(伊耶那岐神)の実際活動のリズム 「身一つにして面四つ」の意味は作用・反作用の陰陽一対四組の知性の律の島です

(五) 伊岐の島

伊耶那岐神 イ

伊耶那美神 ヰ

伊岐とは伊の気でイ言霊のこと

心のすべての現象はここから現われ出て、また此処に帰っていくのです

天津磐境

言霊ウから言霊ヰまで十七個の言霊が全て出揃い、この先天構造図を「天津磐境」(あまついわさか)と呼びます

天津は先天の意 磐境は五葉坂(五段階の言葉の構造)です

この天津磐境が活動して五官感覚で意識することが出来る精神の後天現象が生れます

言霊五母音につきましては中国哲学(易行)では五行の木火土金水とか、仏教では五重塔で仏陀・菩薩・縁覚・声聞・衆生とか、キリスト教ではラファエル・ミカエル・ガブリエル・ウリエル・ルシファーの五大天使の名で示しています

言霊父韻に関しましては、中国の易経に八卦、キリスト教では神と人との間の契約の印の虹として、仏教では仏となる為の守らねばならない八正道等などとして説かれています

(六) 津島 (天の狭手依比売)

大事忍男の神 タ

石土毘古の神 ト

石巣比売の神 ヨ

大戸日別の神 ツ

天の吹男の神 テ

大屋毘古の神 ヤ

風木津別の忍男の神 ユ

大綿津見の神 エ

速秋津日子の神 ケ

妹速秋津比売の神 メ

津島の津とは渡し場の意 未だ言葉として名のつかない、秘められている区分 先天構造内に起った活動が津島という十言霊の現象を経て、頭脳内で実際のイメージにまとめられ行く過程です

まだ言葉として表現されていない内は全く個人的な恣意であって人間社会に通じることのないものです 先天の活動が言葉の社会、即ち一般社会に出て行く船の発着場という意味で、先天の何か分らない働きが表現された言葉の世界へ出て行く港の意です

未鳴、真名とも言います まだ言葉として発せられていない、考えがまとまっていく段階です

別名 天の狭手依比売(あまのさでよりひめ) とは先天の天名(あな)が狭い津島という区分(狭)を通って一つのイメージにまとまるよう手で探ることが秘められている(比売)区分ということです

(七) 佐渡の島

沫那芸の神 ク

沫那美の神 ム

頬那芸の神 ス

頬那美の神 ル

水分の神 ソ

国の水分の神 セ

久比奢母智の神 ホ

国の久比奢母智の神 ヘ

佐渡とは助け(佐)渡す(渡)の意 何を助け何を渡すのかといいますと先天の活動が一つのイメージ化され、そのイメージを誰にどのような表現で伝えたらよいか、が検討されて言葉として表現・発生される処の区分

どんなに立派な心中のイメージであっても言葉として、または絵や記号、詩などに表現しなければ人に伝わることがない心中の発想で終ってしまいます 宗教上の悟りや哲学上の発見も、それが人間の頭脳内のイメージとして捉えられただけでは、表現しない限り真理とはなりません 言葉となって此岸から彼岸に渡されます

真名とも言います

(八) 大倭豊秋津の島 (天津御虚空豊秋津根別)

風の神名は志那津比古の神 フ

木の神名は久久能智の神 モ

山の神名は大山津見の神 ハ

野の神名は鹿屋野比売の神 ヌ

天の狭土の神 ラ

国の狭土の神 サ

天の狭霧の神 ロ

国の狭霧の神 レ

天の闇戸の神 ノ

国の闇戸の神 ネ

大戸或子の神 カ

大戸或女の神 マ

鳥の石楠船の神 ナ

大宣都比売の神 コ

火の夜芸速男の神 ン

大倭は大和とも書きます すべてが共存調和するという意 三十二個の言霊がこの区分の言霊の誕生によって全部で揃い、それが豊かに明らかに現われる(津)区分(島)という意味となります

音声が空中を飛ぶ言霊フモハヌは「神名」ともいいます 電波、光波でも同じです

声は耳により入って聞いた人の頭脳内で「ああこういうことか」と了解され行動になります その後、言葉は先天宇宙に帰り、記憶として印画されて言葉の循環はここで終ります 耳から入って了解されるまでの言霊は真名です

別名 天津御虚空豊秋津根別(あまつみそらとよあきつねわけ)といい先天の活動(天津御虚空)が豊かに明らかな音(根-ね)となって現われる(津)区分

火の夜芸速男の神 ン

神名の火とは言霊のこと、夜芸の夜は夜の国、夜見または読みとなります 芸は芸術のことで火の夜芸速男の神とは、言霊を読む芸術(業-わざ)が早く示されている働きということになり 明瞭に文字の事を指しています 真言に「言霊即実相、文字即涅槃」とあり、文字とは言葉が眠っているものという意味で、生きた人間がそれを読むと直ちにその文字の事が実相となって蘇ってきます

(九) 吉備の児島

金山毘古の神

金山毘売の神

波邇夜須毘古の神

波邇夜須毘売の神

弥都波能売の神

和久産巣日の神

の子(豊宇気毘売の神)

吉く備(吉備)わった初期(児)の締まり(島)と言った意 五十個の言霊を集めて形だけは五十音図としてまとめたけれど、その内容はまだ詳細には確認されていない段階ということです

初歩的では有りますが豊宇気として先天の性質を受け持っているこの五十音の枠結びを天津菅麻(音図)と呼びます 菅曽(すがそ)は菅麻とも書き先天・大自然そのままの性質の音図(すがすがしい衣の意)のことです 例えばこの世に生れたままの赤ちゃんの心の性能の構造といえるでしょう

(十) 小豆島

泣沢女(大野手比売)の神

音図上で初めて確認された八つの父韻の締めくくりの区分 八父韻は音図上で小豆即ち明らかに続く気の区分のこと

泣沢女(なきさわめ)とは人間の創造知性の根本の響きのことです 音波、光波の大自然の無音の音(梵音)が視覚、聴覚のリズムとシンクロナイズする時、初めて現象が現われます 泣き沢め(なきさわめ)ぐのは父韻であり人間の創造知性の側の働きであり、その刺激により宇宙である五母音から現象が出て来るという意味であります

別名の大野手比売(おほのでひめ)とは大いなる横(野・貫)に並んだ働き(手)を秘めている(比売)の意 音図においては八父韻は横に一列に展開しています

(十一) 大島 (大多麻流別)

石拆の神

根拆の神

石筒の男の神

甕速日の神

樋速日の神

建御雷の男の神

闇淤加美の神

闇御津羽の神

大きな価値・権威を持った心の締まりという意 別名の大多麻流別は大いなる(大)言霊(多麻)が流露・発揚(流)する心の区分、ということです

伊耶那岐の命(言霊の原理・法則)が活用する十拳の剣の力(物事を十段階に分けて判断する)を明らかにする作業区分であります

(十二) 姫島 (天一根)

頭に成りませる神の名は

正鹿山津見の神

胸に成りませる神の名は

淤滕山津見の神

腹に成りませる神の名は

奥山津見の神

陰に成りませる神の名は

闇山津見の神

左の手に成りませる神の名は

志芸山津見の神

右の手に成りませる神の名は

羽山津見の神

左の足に成りませる神の名は

原山津見の神

右の足に成りませる神の名は

戸山津見の神

八つの神代表音神名文字(八種の文字原理)が心の宇宙の中に占める位置・区分

言葉を文字で表したものを比礼(ひれ)または霊顯(ひら)といいます 枚(ひら)の字を当てることもあります 大山津見の神(言霊ハ)は言葉のことです 山津見の山は八間でこの間に言霊父韻が入り、それが津見(渡して現れる)で言葉が出来ます

女(おんな)は音名で、文字のこと 文字には言葉が秘め(女)られています 人によって文字を読むと直ちに心の中に言葉となって甦ります また神代文字は全部 火の迦具土の神(言霊ン)から現われますから、別名、天の一根と言われます

○ 黄泉国(よもつくに)

(十三) 知訶島

伊耶那岐の大神

衝き立つ船戸の神

道の長乳歯の神

時量師の神

煩累の大人の神

道俣の神

飽昨の大人の神

奥疎の神

奥津那芸佐毘古の神

奥津甲斐弁羅の神

辺疎の神

辺津那芸佐毘古の神

辺津甲斐弁羅の神

これよりは言霊学奥義である禊祓の区分となります

知とは知識の事、訶とは叱り、たしなめるの意です

外国の文化の知識をこの段階で言葉の意味がよく分るように内容を整理し、次の人類文明へ吸収する為の準備作業となる段階の働きの区分

(十四) 両児島

八十禍津日の神

大禍津日の神

神直日の神

大直日の神

伊豆能売

底津綿津見の神

底筒の男の命

中津綿津見の神

中筒の男の命

上津綿津見の神

上筒の男の命

天照大御神

月読の命

建速須佐男の命

言霊布斗麻邇の原理は心の要素である五十個の言霊とその運用法五十、計百の原理から成り立っています その要素五十言霊を上の五十音に、運用法五十を下の段にとりますと百音図ができます これを図の上と下が完成した原理として両児の島と名付けました

以上の十四島が人間意識の全ててす。

ここから子現象、子事記、の記述が始まります。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~