大祓祝詞講座 2 コトタマノマナビ

大祓祝詞講座2 序文から

大祓祝詞・ここにお集りになった

序文朗読

集(うご)侍(な)はれる、親王(みこ)、諸王(おほきみ)、諸臣(まえつきみ)、

集(うご)侍(な)はれる-

ここにお集りになった

親王(みこ)-

親王は天皇の近い親族である皇太子、皇太后、皇后

明治憲法では違ってきたようです

諸王(おほきみ)-

近い親族以外の皇族

諸臣(まえつきみ)-

天皇の大切な御用をする長官

百官人達(もものつかさびと)-

文武百官であるお役人

諸聞召せと宜る-

聞いてください

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大祓祝詞・八咫の鏡

天皇(すめら)が朝廷(みかど)に仕へ奉る、比礼(ひれ)挂(か)くる伴男(とものを)、手襁(たすき)挂(か)くる伴男(とものを)、靱(ゆき)負ふ伴男、剱(たち)佩(は)く伴男、伴男の八十伴男を始めて、官(つかさ)々に仕へ奉る人達の、過ち犯しけむ雑々(くさぐさ)の罪を、今年の六月晦(みなつき・つごもり)の大祓に、祓ひ清め給ふ事を、諸聞召せと宣る。

天皇(すめら)が朝廷(みかど) に仕へ奉る-

天皇が知らし召す朝廷の政治の場に仕えている

天皇が行う根本原理、器物で申し上げますと‘三種の神器’の中の「八咫の鏡」と申します。形而上の教訓を「道」といい、形而下の器物として表わしたものを「器」という、‘三種の神器’と申しますのは、三つの精神上の働きを器物の格好で表わしたものです。

「八咫の鏡」と申しますのは人間が人間足らしめている条件を全部満たした上で、その法則、条件を政治に使ったら、今の政治とは違って、人民を治めるという政治ではございません。

昔の政治は日本なら日本の文明を創造していくにはどうしていうようなことをしたら良いかという事でした。八咫鏡を精神構造に表わしたのが天津太祝詞と申しまして、大祓祝詞の後ろの方で「天津祝詞の太祝詞事を宣れ」とあります。

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大祓祝詞・大御心と大御宝

天津太祝詞音図は五十音の向かって一番右側の母音の縦の並びがアイエオウ、左側の縦の並び半母音がワヰヱヲウ、ア段の横の並びはタカマハラナヤサ。イ段の横の並びはチイキミシリヒニ、縦の母音は五つの性能を表わします。

人間の本具の五母音は、それぞれに性能領域があります。

‘ウ’は欲望/産業・経済

剱佩く伴男(たちはくとものを)

‘オ’は経験知/学問・科学

靱負ふ伴男(ゆきおふとものを)

何故を人知で汲み上げて行く

‘ア’は感情/芸術・宗教

天皇

‘エ’は実践知/政治・道徳

手襁挂くる伴男(たすきかくるとものを)

物事に遭遇した時にウオアをコントロールしたら

一番良い対処の方法ができるか選ぶ

‘イ’は創造意志・生命意志/現象として現れ出ない-

比礼挂くる伴男(ひれかくるとものを)

ウオアエを総括し言葉として表現する

伴男は四つ出てまいります、 五母音の内の‘ア’である天皇が国民を見る心、それを昔は大御心と申しました。天皇が国民を思う心を大御宝と申しました。または、御身(おおみま)、心を体現している体、それは国民でありました。

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大祓祝詞・心の先天構造

ちょうどお母さんが赤ちゃんを抱いてお乳を飲ませ育てるが如くに国民を見ている。自分の体以上の存在、それは感情の発露ですから‘ア’の位に天皇がおります。

柿本人麻呂の歌に「大君(すめみま)は神にしませば天雲の雷の上に廬(いほり)せるかも」、人間の言葉は昔の人は‘雷’に例えました。‘神’と申しますのは、意識はしないけれど、「これは時計だ」とか「喉が渇いたな」と言葉が出て来る以前の領域のこと、言霊学で申しますと心の先天領域のことです。

人間は意識できませんが先天の働きがなければ、けっして言葉が出て来ない。言葉が出て来ますと現象になります、それを後天領域と申します。先天領域には17の言霊がございます。

ウ・アワ・ヲオエヱ・チイキミシリヒニ・イヰの17言霊です、半母音のウは重複しますので含まれません。このこと(重複)が分かれば言霊の学問を全部知ったことになる。今、説明しますと二時間も三時間もかかってしまいますので、皆さんでお考えになって下さい。

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大祓祝詞・言葉は雷

17(アオウエイは母音、ワヲヱヰは半母音、チイキミシリヒニは父韻)の言霊は、父韻が母音に働きかけて活動いたしまして32の子音(現象の最小単位)が出て来ます。子音を綴ることで人間の一切の営み、仕草、森羅万象、総ての存在に名前がつけられます。

雷はピカピカッと光りますと何秒か後にゴロゴロと鳴ります。人間の言葉も雷であると昔の人は考えました。天雲は先天領域のこと。雷(五十土)、‘土’は五十音一音一音を粘土板に刻みまして焼いて壷に収めました。

宮中にも壷があるそうです。皇太子が皇太子として立つ、立太子式の時に「壷切りの太刀」を天皇から授かって賢所へ行き壷の封印をその太刀で切ります、そして壷の中にある五十音一音一音の粘土板を覗く儀式があります。

これは何の呪示かと申しますと、皇太子に立つためには、アイウエオ五十音の言霊を自覚、保持する人に限り、昔の制度で決まっておりました。二千年前の崇神天皇以後はそういうことがなくなり、天皇に一番近い人が皇太子になりました。

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大祓祝詞・先天構造

柿本人麻呂の歌に大君(すめみま)は神にしませば天雲の雷の上に廬(いほり)せるかも」、人間の言葉は昔の人は‘雷’に例えました。‘神’と申しますのは、意識はしないけれど、「これは時計だ」とか「喉が渇いたな」と言葉が出て来る以前の領域のこと、言霊学で申しますと心の先天領域のことです。

人間は意識できませんが先天の働きがなければ、けっして言葉が出て来ない。言葉が出て来ますと現象になります、それを後天領域と申します。先天領域には17の言霊がございます。

ウアワヲオエヱチイキミシリヒニイヰの17言霊です、半母音のウは重複しますので含まれません。このことが分かれば言霊の学問を全部知ったことになる。今、説明しますと二時間も三時間もかかってしまいますので、皆さんでお考えになって下さい。

17の言霊(アオウエイは母音、ワヲヱヰは半母音、チイキミシリヒニは父韻)が活動いたしまして32の子音(現象の最小単位)が出て来ます。人間の一切の営み、仕草、森羅万象、総てに名前がつけられます。

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大祓祝詞・神鳴り

雷はピカピカッと光りますと何秒か後にゴロゴロと鳴ります。人間の言葉も雷であると昔の人は考えました。天雲は先天領域のこと。

言霊一音一音を粘土版に刻み素焼きにして壷に納めました。宮中にも壷があるそうです。皇太子が皇太子として立つ、立太子式の時に「壷切りの太刀」を天皇から授かって賢所へ行き壷の封印をその太刀で切ります、そして壷の中を覗く儀式があります。

これは何の呪示かと申しますと、皇太子に立つためには、アイウエオ五十音の言霊を自覚、保持する人に限り、昔の制度で決まっておりました。二千年前の崇神天皇以後はそういうことがなくなり、天皇に一番近い人が皇太子になりました。

三種の神器を護るという役目でしたから。三種の神器を実行するには天皇に近くても出来ません。それが今迄二千年間続いています。今の天皇は「こんなものはいらない」、平成天皇、平民に成る天皇、私が言ったわけではないのです、歴史家が申していることです。

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大祓祝詞・伴男(トモノヲ)

音図に基づいて「廬(いほり)」、一音一音を掘り起こして、その意味に従って政治を行う、「イ堀り」を掛けた。万葉集の何分の一、百人一首の十分の一以上は言霊の原理と叙情詩の韻を掛け合わしています。それが昔、和歌(敷島の誠の道)を詠む目的でした。

昔の役職制度は人間の根本性能に基づいて定めました。縄張り争いは絶対に在りません。天雲と申しますのは一番上のアに当たります。

比礼挂くる伴男(ひれかくるとものを)

比礼(ひれ)の比は言霊のことを昔は霊(ヒ)と申しました。又は真邇。顕(れ)を当て字しますとよく分かってきます。霊である言霊がよく分かるように顕れる、それは文字、神代文字、真邇名文字。

五十音図を掲げて今ここの実際の状況を把握し判断する役目。

手襁挂くる伴男(たすきかくるとものを)

手の指を広げたり折ったりして数を数える。例えば或る人がしかめっ面をしていた、表情が和らいできた、現象の変化、変化のない処に数はございません。変化を読み取る方法。

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大祓祝詞・握手(ニギテ)

奈良の石上神宮に布留の言本(フルノコトモト)という唱え言がございます。

ヒフミヨイムナヤコトモチ(一二三四五六七八九十)

ロラネシキルユヰツワヌ

ソヲタハクメ

カ ウオエニサリヘテ

ノマスアセヱホレケ

言霊をどのように移していけば良いかを考えることを手襁き(たすき)と申します。昔、お小遣いのことを「にぎにぎ」と申しました。手の中に握ったコイン、握っている、把握している、ということは物事の価値を把握しているということになります。

生産物をどれくらいの価値があるか金によって把握する、握手(にぎて)、指を折っていくこと。その価値はお金とは限らない、物事の意味を道理に従って全部を掌握した時に、「こういう意味なんだな」とハッキリ実相が分かって来る。

握手は御幣、神社のしめ縄などに紙で出来た飾り物がございます、そのこと。物事を掌握する「わかった」ということになります。

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大祓祝詞・国津罪と天津罪

個人的な罪は大祓祝詞の後ろの方で解説されますが「国津罪」として出て来ます。それに対して公な罪、国家世界に関する罪、それを「天津罪」と申します。明瞭に分けてあります。

天皇が‘ア’の大御心でお母さんが赤ちゃんを育むような気持ちで政治の場に臨んで、それを手助けする四つの伴男が間違いのないようにします。政治の罪とはどういうことか。

世界各国から色んな主張、要求、主義主張がなされてきますと、それらをどのように按配して日本なら日本の文化を創っていくか、統合していくか。それが政治の一番の目的です。

そういうことが政治の目的です。仏教用語で「摂取不捨」、どんな人の言い分も自分が言った真心から出た言葉として全部受け取ります。「そんなの知らない」とは決して言いません。そしてその真意を生かすように取り上げて吸収します。どんな罪人でも地獄から極楽に引き上げます。

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大祓祝詞・一割のコンプレックス

日本の昔のスメラミコトはその通りに総ての意見を取り挙げて、一番真実の処を殺すことなく生かして、その総合体として日本の文化を創って行く。主張の内の九割は受け取ったが一割は受け取り損じたということになりますと、その一割がどんどん増えて社会の大変なコンプレックスになります。

そのコンプレックスを「罪穢れ」と申します。このコンプレックスが溜まりますと大事になりますので、六月と十二月晦の大祓に溜め込んだコンプレックスを自分の心構えに隙があったとして祓います。それが大方の大祓祝詞の目的です。

蛇足になりますが、日本の大祓祝詞の言葉の「罪穢れ」は、旧約聖書、モーゼの五書のペンタトーチ、レビ記に詳しく書かれております。ピシャーッと合っております。その処でお気づきになられる方もいらっしゃるかもしれませんが、モーゼには国津罪しか教えていません。天津罪は教えませんでした。

ここに九分九厘の一厘の仕組みがございます、後で詳しくお話しいたします。それを祓い清め賜いますから、よくお聞き下さいませ、というのが序文の意味です。

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大祓祝詞・日本のことだけではない

高天原に神留ります、皇親神漏岐神漏美(すめらがむつかむろぎかむろみ)の命以ちて、八百万の神等を神集(つど)へに集へ賜ひ、神議(はか)りに議りたまひて、我皇御孫(すめみま)命は、豊葦原の瑞穂国を、安国と平(たいら)けく知しめせと事(こと)依(よさ)し奉(まつ)りき。

「高天原」と申しますのは色んな意味がございます。地理上の箇所と説きますとどういうことになるか。ハッキリしたことは全然分かりません。ただし、古事記・日本書紀には天孫降臨の時に、高天原から降っていって朝鮮から九州に渡ってきたということらしいです。

高天原ということはチベットのような高原地帯ではないかと推測されます。それが本当かどうかは分かりません。世の中が変わって大規模な予算でもって調べればすぐに分かることかと思います。

日本だけのことではございません。世界中に埋もれた史実が次々と明るみになりますと、何の為にピラミッドが建てられたかといった、世界の謎とされていることが、言霊の原理が復活することによって解決することになりますでしょう。やがては世界中、人類全体の問題として取り上げられることと思います。

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大祓祝詞・日本語を使う民族の意味

地球の屋根と言われる高原地帯に大勢の偉人が集まって、人間には心がある、心と言葉の関係を何千年と費やして発見し完成したのが言霊の原理です。丁度現代の科学が今から五千年前から「物とは何ぞや」を人類が死に物狂いで研究した結果、物質文明が完成されたのと同じことです。

高原地帯の高天原でどんな研究をされたかは分かっておりませんが、最終的に言霊の原理が発見され、原理に基づいた文明社会を創造する遠大な目的のために、地球上の何処かに本拠地を置いて、その仕事を遂行すれば良いか。最終的に降りてきましたのがこの日本列島であります、これは間違いございません。

数千年の間、知っていても知らなくても、言霊の原理を保持して、原理に基づいて作られた言語を使ってきたのが日本民族です。これだけは否定しようのない事実でございます。昔の人は日本の国を「霊の本」と呼びました。自分の生きるべき言語が言霊の原理によって作られた霊の原理を保持する伝統の国。豊葦原の水穂の国とも申しまして、「豊」の一字が物語っております、後ほど説明いたします。

高天原が形而下の問題として考えますと、アジアの屋根の高原地帯ではなかろうかということになります。形而上では人間の心の先天構造、17の言霊で構造と捉えることも出来ます。先天も人間の心から観れば高原地帯になります。

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