19【言霊ト】 石土毘古の神(いはつちひこのかみ)

19【言霊ト】 石土毘古の神(いはつちひこのかみ)

始めに大事忍男の神以下の十神(十言霊)は先天構造内に起こったものが如何なる事を意図したのかを一つのイメージにまとめる一連の作業だと申しました。ですから大事忍男の神・言霊タに続いて生れて来る神・言霊の解説もその一連の意図に沿った立場からお話をして行くことになります。石土毘古の石(いは)は五十葉(いは)で五十音言霊のことです。土は土壌で育てる働きを表わします。毘古はその原動力である八つの父韻の働きで、チイキミシリヒニ。五十音図は八父韻の両端にイ、ヰが付いて十音となり十を形成します。十(と)の言霊は横に並び、物事を創造して行く時間的な経緯を表わします。先天構造内に起こったものが実際どの様なものなのか、を時の経過に従って調べられる事を示しています。それは先天の意図が言霊の十個の戸を通過するようにして調べられる、ということが出来ましょう。

石土毘古(いはつちひこ)の神、石巣比売(いはすひめ)の神

言霊 石土毘古の神の石は五十葉(いは)で五十音言霊、土は培うで育てる意、即ち八つの父韻の働きを示します。毘古は主体を表わします。石巣比売の神の石(いは)は五十音言霊、巣はその住家の意で、現象子音がそこから生まれて来る元の宇宙、即ち母音の事、比売は姫で客体を指しています。これだけでは何の事だか明らかではありませんが、言霊がタトヨ……と続く過程は島名で津島と教えられています。先天構造が活動を起し、現象が生れて来ますが、津島と呼ばれる過程で先天の活動が実際に何を意図しているかを一つのイメージにまとめる働きをします。言霊タトヨと続く働きを右の津島という島の意味と重ねてみますと次のような事が考えられて来ます。

先天構造の十七言霊が活動を起し、その先天宇宙が言霊子音ターと後天現象として姿を現わしました。けれどそれは先天活動そのものであり、意識の及ばぬ領域のことですから、ターと現われても何の事だか分りません。父韻はどんな並びになっているか、母音はウオアエ四次元の中の何の次元の活動か、を先ず調べる必要があります。そのため過去の経験の記憶を呼び覚(さ)ますこととなります。次元オの宇宙の中から五十音図の横の列の十音の並び即ち言霊トが、また縦の列のイ段を除いた四つの母音の並び即ち言霊ヨが思い起され、参照比較されます。それによって先天活動の実際の意図は八父韻の如何なる並びか、母音に於いてはどの次元の意図か、が測られます。

言霊トは十(と)・戸(と)・解(とく)・時(とき)・富(とみ)・年(とし)・説(とく)等に使われ、言霊ヨは四・世(よ)・欲(よく)・夜(よる)・嫁(よめ)・横(よこ)・酔(よう)等に用いられます。

言霊トの単音に漢字を付して言葉とすると、次のように書くことが出来ましょう。十(と)、戸(と)、時(とき)、止(とまる)、解(とく)、鳥(とり)、通(とおる)、床(とこ)、樋(とひ)、問(とふ)、遠(とお)、