05 「今」とは五のこと、「今」がいまいる
イの発音。
五はイである理由を探るよりは、五はイと覚えてしまった方が簡単です。しかしまたまた余計な疑問がもちあがってしまいましたので多少は知識さんの世界にも満足を与えてくすぐっておきましょう。
イは人の本質を示すものですので突っついても終りも何も出てこないかもしれません。、
イが五である理由を少しでも知らしめたら見っけものです。
発音は口でしますが各母音の口腔での発音ではなく気道、腹への反作用をみてみます。発音は口、声帯でするだけでなく身体全体が参加いきます。
開けっ広げなアの発音に対してイを発音して比較してみます。
イの場合は気道や腹への反圧、横隔膜や肋骨下への圧力、胃を含む上腹部への圧力がアに比べてより強くあります。
イを持続していくと喉や声帯を狭めしめようとしている感じさえ受けます。
生理身体上の反応反射。
生物に対して物理的な作用が加わりますと生物の物理的な反応が生理作用となって現れます。押せばへこむという生物物理的な反応でここではまだ意識が出て来る以前の話しです。
イの持続は五母音の中では腹部喉への反圧が他の母音の発音に比べて最も強いものです。
アの場合はアがどんどん拡散発散していくのに対して、イは呼気の出口が狭く押さえられていて、腹胸喉部への反圧が強まってそこに圧縮されこもっていく感じがしてきます。
意識への反応。
ここまでは生理身体上の反応でそのままで意識の反応になるものではありません。生理反応から意識までには次元を超えた飛躍があります。
生理物理から意識への次元の飛躍は、ちょうど言葉において見聞きされた物質としてのことばを頭の中で意識へと変換することと同じようなことです。
五感で触れることの出来る世界の直截なあり方を言霊ウの世界といい、
あったものの世界をここに持ち来らす世界のあり方を言霊オの世界といい、
あるものをこれからどうしようかと思う世界を言霊エの世界といい、
あったものあるものあるだろうものを全体に感じる世界を言霊エといいます。
意識の感じ取る世界はこの四つしかないのですが、この四つはなせ感じられるのだろうかという別次元の世界があります。これはあるものの対象が生理物理世界とならず、意識世界を対象としています。
四つの世界はあるものの世界で、この世はそれだけのものですが、ではあるものがあるとされる世界がなければ、あるものもないのですから、ここにこの世の全体を有らしめる世界があることになります。
それを言霊イの世界といいます。創造意志の世界で生理物理の形をとらず、頭脳内に意識の形を取ります。勿論ここから能内科学のように電気信号のやりとりとか化学物質の分泌とかの物理世界での分析が可能となります。だからといって電気信号の世界がイの世界ということではありません。
四(よ)から五(い)へ。
四の世の世界から、この世とは違った次元の五つ目の世界があることは分かりました。四つの次元を世といっているのですから、意識の世界には四つの別々の世界があって、いまここに五つ目を加えようとしているところです。
それをそのまま「今」とは五のこととしてもいいのですが、それだけではどうも根拠が貧弱です。
というのも日常の意識には次元の違いに無自覚だからです。うまいうまいと言いますがうまいという味はありません。味は味覚で食べる体験の世界です。四つの世界は五感、記憶、感情、選択の世界として実在が確認できますが、五つ目のイの創造意志の次元はそのものを直接確認することができません。四から五の次元へ行くには脱皮変態が必要です。
次元というのはもともとそういったものですが、意識は次元を平気で撹拌混同をしていきます。うまいといいながら、これはどこの産地でこうして生産されたものだというような舌で感じる味そのものではない知識などが混じってきます。
如何にすべきかの選択においても、知識をいろいろ溜め込めうんちくを傾けていきますが、下した決定はたわいもないことかよくあります。
禅ではその反対に知識の自己撞着を誘うような問題を出しておいて、納得という単純な確認の落ちを付けます。
何故そのような撹拌が起こるかといえば、各人に元々あるものを無自覚に運用できるからです。
知識は全て過去の誰かのもので自分のものではないが知ろうとして知ることができるし、悟りも考えている間は知識の次元に留まっているものですから、ちょっと身体を捻ってあくびでもすればああそんなことだったのかと気付くようになるものです。
そしてそこに、次元を越える何かしらの力動があってそれに身を任せたり自覚したりして実践しようという決意を導いているのが言霊イです。
ですので言霊イは羽目を外すことも、カタにはめることも、自覚無く行動を起こさせることも、目標一直線にさせることもするように、意識と身体を制御しています。
成長するとは。
私達の成長するとはこのこの言霊イの活動によるものです。
自他の存在を定立確認する・いきようとする意志
自己の韻(動因)を他者他物において明かす→依頼への応答として
披創造者・物の所有保存所持蓄積・自身の展開→現象創造
他者への按配分配・創造の明かし→名を付ける
今とは何かという解釈の混乱。
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